風の果て

恋をしただけ それだけのことを

VAMP~魔性のダンサー ローラ・モンテス~ 8/30マチネ@EXシアター

行ってきました、初EXシアター。わーい毎週TVで見るところ~ww
いつも見る光景と全然違ったけど、ロッカーの方行ったら思いっきりガムシャラのポスター貼ってあってあったりw「座席のあるEXシアター」が違和感あったけど、ふと見上げたら見覚えのあるバルコニー席があってちょっとテンションあがりました。
座席自体は可動席なので、まぁ揺れる(笑)プレミアムシートから前はフラットなのでもう少しいいかもしれないけど、通路から後ろは階段状なので客入れの間ずっと微妙に揺れてた。あと一番端の席が思いっきり見切れる感じだったかな。私は端から5、6番目だったから何の問題もなく見れたけど。元がライブハウスだから多少難ありとはいえ、サイズがちょうどいいし(後方席で双眼鏡なしでもギリいける)(使ったけどw)、音はいいし。


舞台そのものは、美しいメイサを最大限美しく魅せるためのメイサのPV feat.太一くんって感じで。先にネタバレとかでストーリーが薄い・浅いみたいな評判を見かけていたのだけど、5人の男たち一人一人にコピーと花とカラーが決まってるので、ぶつ切りでもそんなに抵抗なく見れたなぁ。っていうか、メイサが色んなドレスを着て色んなダンスを踊るための舞台だから、前振りも伏線もオチもいらなくて、各パートの山場だけをつなげてて正解な気がした。飽きるとこなくてずっと楽しかったし。そして闇が美しかった。本当に美しかった。メイサと太一が表裏一体っていう設定だけでご飯何杯でもいける。
ついこの間、何の飾りもなく素材一本勝負の一万年~やってるのを見たばかりだったから、あの声をたっぷり堪能した直後にこういうがっつり飾ってあって目で見て楽しめる作品も見れて、凄い幸せだなーと思った。死角なしの美しさ。


  • プロローグ

5種の花をあしらった5人の男たちが登場した後、棺の中で眠るメイサが踊りだすところからスタート。おぅ、2幕頭から始まるShockだ…(だいたいずっとそういうこと考えながら見てたw)。緩くまとめあげた髪に、シンプルなドレスで踊るメイサ。ここの振り付け好きだったなー。マリオネット…っていうかゾンビか。ああいう動き好き。

  • ローラの最初の男 トーマス・ジェームズ(ガーベラ)

ドレス選びをする少女時代のローラ。ずらっと並んだドレスもまだ淡い色のかわいらしいデザインばかり。ここでジェームズがローダに選ぶドレスが薄いピンクの、フリルがふんだんに使われた超可愛らしいもので。ジェームズはそれを着た愛らしいローラを「とても似合っているよ!」と絶賛するんですが、いかんせんメイサがあの超クールビューティービジュアルなので、本当に似合わなくて(笑)いじらしい言動も楽しげなタップダンスも本当に可愛いんだけど、いやさすがにそのドレスは似合わないだろうwwww
…と思っていたら、たのしげにタップダンスを踊り続ける水田ジェームスさんの横で、ローラの前に降りてくる紫のセクシーなミニドレス。何かに誘惑されるかのようにドレスを手に取り着替えるローラ。一気に引き締まった妖艶な雰囲気になってかっこいい。水田ジェームズさんは「そんなの全然似合わないよ!」と悲痛な叫びをあげていらっしゃいましたが、いやすっげー似合うよ超綺麗だよメイサ。というわけで、変わりゆくローラに混乱しながらジェームズさんご退場。

ステージに張り巡らされる蜘蛛の巣の中で踊るタランチュラ・ダンス。踊り子ローラのショータイム。ここから蜘蛛の糸や鏡等のセットが次々出てくるんだけど、これも全部五角形のモチーフで、徹底して5にこだわってるのが面白い。蜘蛛の巣も五角形。タランチュラダンスのとこだったと思うんだけど、ミラーボールが回っていて。壁に映るミラーボールの明かりが綺麗でライブハウスにできる会場ならではだなと思った。
この中川リストさんのターンが一番えろくて凄くきれいだったー。気に入ったピアノを激しく弾きまくり壊してしまうというリストに対し、「壊れるかどうか試してみる?私意外と頑丈なの」って誘惑するローラ様がまさに魔性でお美しい。リストのピアノに合わせてピアノの上で踊るメイサ。もうちょっと隠喩でいくのかと思ったら、意外と直球のセックスシーンでびっくりした。メイサがエロいのはもちろんのことだけど、ここの中川リストさんが凄い変態ぽくて最高だった。はー綺麗だったなー。

妖艶な紫のドレスのままソファで眠るローラに、明るい黄色いドレスをかけてやるデュマ。ここから雰囲気一転・陽気な新納デュマさんのコメディシーン。ローラに声を出して笑ってほしくてあれこれ試すデュマによる低予算の三銃士は可愛かった!三銃士読んだことないからキャラ設定とかわかんないけど、大和三銃士における桃ちゃんがデュマで嵐様が中川さんだったのはわかりました(笑)みんなで可愛く踊るシーンはここだけだから楽しかったー。
それでもかたくなに微笑み以上の顔を見せないローラに、仮面をつけ、「さらけ出すのが怖いなら装えばいい」と教えるデュマ。そんなデュマのおかげでローラは笑えるようになるんだけど、ここでのローラの笑い声が全然朗らかじゃなくて。明るい黄色のドレスで高らかに笑うローラ様が悪女でしかなくて素敵だった。メイサほんとひたすらに綺麗。地位も財産も何もかもローラのために差し出してしまったデュマに、ローラは「あなたは与えたくてしかたなかったんでしょう?」と問いかける。「あなたのおかげで笑えるようになった。それだけは感謝してる。逆に言えば、それ以外は何も覚えてないわ」(台詞はニュアンス)って吐き捨ててドレスも脱ぎ捨てフェードアウトするローラ様。ひれ伏したい。あとローラが一段高いところから側転してそのまま男たちに担ぎ上げられたのここだっけ?不意打ちだったから「……!?」ってなったよね…。身体能力高い…。

  • 闇の誕生

ここで流れがちょっと変わって、中川さんのピアノと歌に合わせてローラの父親が死んだこと、母親を憎み畏れていることが語られる。ここで天井から下がる5つの柱にセリフが流れる演出は、ちょっとソングライターズ思い出したな。岸谷演出っぽさはこういうところなんだろうか。背後の鏡に映る母に苦悩しながら踊る白い衣装のローラ。これPONで流れてたところだわ。
ここでいよいよ闇の登場。中川さんの唄う「やぁこんにちは」に合わせて、太一の口も「こんにちは」って動いてたのと、そのあとローラに近づくときにニタァって笑ったのがぞくぞくした…。とにかく綺麗だったなぁ。座り込んだローラを後ろから抱きしめて顔を寄せる闇が、それだけでもう引きずり込まれるというか、こんな美しい闇が寄ってきたら迷わず闇堕ちする道を選ぶわ……ってくらい魅力的。「人ではない何か」としてのインパクトが凄い。全然人間らしさがない(褒めてる)闇はローラにピストル?を渡して母親を殺させようとするんだけど、結局ローラはそれができず、闇はここで一旦フェードアウト、暗転(ちなみにこの間、喋らない闇の代わりに中川さんがずっと歌っていてくれてます・笑)

  • ローラに命をささげた男 アレクサンドル・デュジャリエ(ローズ)

真っ赤なドレスのローラによるフラメンコタイム。中河内さん初めてだったんだけど、ここのデュジャリエのキャラクターがいまいち印象に残らなくてちょっと残念だった。アンサンブルで踊ってる時の方が印象的だったかも。で、なんで印象に残らなかったかって、ローラが結構ずっと踊っててくれるのでそっちに気が向いちゃうからなんだけど。黒いストールを操りながら踊るメイサ素敵でした。単純なショーとしてはここが好きだったかもしれない。真っ赤な絨毯の周りに並べられたキャンドルと、上手に飾られた薔薇の華やかさと、背面の鏡のおかげで正面から見えない表情まで堪能できるローラの踊りと。この鏡演出好き。

魔性のダンサーとしての地位を確立していくローラが、王に面会を望み城にやってくる場面。白いドレスなんだけど、闇と出会ったときよりタイトな、ロング丈の大人っぽいデザイン。言葉遊びをしてるみたいに、互いにしたたかな掛け合いの中で距離を詰めていく王とローラは見ていて面白かった。小気味よいというか。ローラを頂点につれていくルートヴィヒ1世の歌パートはロック。橋本さんの歌に合わせて残り4人が踊る。新感線でロック使ってるのが好きだから、あれはテンションあがった。ここまではメイサのダンスがメインだったから、男性陣4人のダンスが堪能できるのもいい。
そんなダンスに気を取られている間に高く宙に吊られているローラ。ステージ奥にすっと闇が出現して、闇が剣を振るのを合図に見せ場のエアリアル。ここ正直もうちょっと暗転遅くてもよかったかなーって思った。「落ちた!」ってのが脳に届く前に暗転しちゃった感じ。技は凄いんだけどね。

  • ローラVS闇

再びローラの背後に寄ってくる闇。ローラと同じ動きを闇が一拍遅れてなぞるのがとてつもなく美しかった。メイサのしなやかな動きをそのまま繰り返すって演出ができるのは太一ならではだなぁ。新春でシャナナ踊ってるときに初めて気づいたんだけど、普段あれだけダイナミックに踊る人なのに、別に女形でなくても日舞でなくても女性的な振り付けになったときには動きがしなやかに細やかになるんだよね。シンクロしていた動きは途中からペアで踊る振り付けに変わり、跳んだメイサを片手でキャッチして抱えて回る太一くんかっこいい><ここのダンスちょーーーかっこよくて、延々見ていたかった。
後半は殺陣。そういえばこのシーン、背面の鏡以外はセット全部とっぱらって何もない空間にしてるのね。その何もない広い場所を動き回る太一とメイサ圧巻。何が凄いって太一と同じ動きで剣くるくるしてるメイサね(笑)頂上決戦みたいだったなー。女相手だけど、そこらの外部舞台での男相手の殺陣より早く動いてた気がする。途中でアクロバットもあって(ロンバクほんっと綺麗よね)、この場面だけで早乙女太一全部乗せだった。超お得。尺も長かったし大満足。
そういえば、闇一言もしゃべってないのに、この場面の中心人物の一人として確かに話を回している感じがあって面白かった。元々早乙女兄弟の殺陣は台詞以上によく喋る印象だけど、闇も言語以外でよく喋ってたなぁ。ちょっとした表情とか仕草とか全部綺麗だった。


ただ欲を言えばあれだけ闇の存在フューチャーしといて、さらっとフェードアウトするのどうなのっていうwそこは他の男たちと変わらない扱いなんだなw
最後は男たちがそれぞれのカラーの色水をかけてローラを染めていって、冒頭の棺の中のシーンに戻る。ここまでのストーリーがそもそも薄いから、どうしても最後がゆるっと終わるのが残念だったけど、美しさは十分堪能できたから満足かな。
カテコはシンプルに2回。闇太一は通常営業でした(笑)