風の果て

恋をしただけ それだけのことを

10月観劇録

生涯 10/3マチネ@中野MOMO

大きめの劇場での観劇が続いてた中で、楽しみにしていた小劇場公演。去年のストリッパー物語もお気に入りだったのだけど、今回も好きだった。MOMOも、小さいけど圧迫感がなくてよかったな。ロビーがちょっと広めだからかな。客入れSEで悲しき雨音が流れてて色々思い出したり(笑)
あとここに限らず、劇場入った瞬間から見知った役者さんがいっぱいいる環境って、あくまでも一方的に知ってるだけなのにどうして落ち着くんだろうか(笑)

ストーリーテラーを兼ねる祐也くんの、耳にすとんと入ってくる長セリフが耳に心地よかった。祐也くんのお芝居大好きだから、9Pro公演はたくさん祐也が見れて嬉しい。小川さんは実は静かなお芝居をしているときの方が好きで、だから倒れた後の舅と嫁の会話の部分が一番引き込まれた。背を向けたまま喋るぐみちゃんの澄んだ声が綺麗だったなー。顔が見えない分余計に声の印象が残る。
お話の中身については事前情報ほぼなしで見に行ったので、登場人物の名前が「出発」と重なるのは見てる途中で気づいた。あっちを見ていたらまた全然違う見方もできたんだろうなー。序盤のコメディタッチのお葬式のシーンが妙にリアルで、祖父母の葬儀思い出しながら笑ってしまった。凄く不謹慎な話だけど、葬儀ってすげー面白いことが多発する場所でもあるんだよね。ああいう滑稽さ、あそこまで大げさじゃないにしても結構ある。終盤になったら泣くかなと思ったけど、案外泣けなかった、リアルすぎて。取り上げる題材が身近すぎてどこにでも存在するものすぎると泣けないんだな。演劇って基本はフィクションだから遠くの話だから、無責任にぼろぼろ泣けるのかもしれない(でも無責任に泣けんといいつつ無責任に笑うのは厭わないあたりが私の調子いいとこだな)(しかし親の死なんて年齢的にもうリアルすぎてさー…思わず真顔で受け止めてしまうわ…)。でもだからって内容がよくなかったとかそういう話ではなくて、むしろすごく好きで。最後の祐也くんの一人語りはさすがにうるっときたな。題材は重いし切なさもあるんだけど、どこか穏やかで終演後の満足感がすごかった…。定期的にこういうのは見ていきたいし、こういう舞台の存在をひっかけるアンテナはちゃんと立てておきたい。

THE SHINSENGUMI 10/4マチネ@銀河劇場

千秋楽滑り込み~。
耳から音を記憶するのが極端に苦手なのでミュージカルってほぼ見ないのだけど、新撰組ものだからまぁだいたいの流れはわかるし、話わかんなくてもそんなに困らない舞台だったのでよかったです。芝居パートほぼ記憶に残ってないけど(そもそも8割ダンスに気を取られてるうえに、音楽のメロディラインにも意識取られる中で歌詞まで聞き取るとか無理)、視覚情報はがっつり覚えていれるので衣裳とか振付とか肩甲骨とか鎖骨とか腕とか(以下略)は脳裏に焼き付けて帰ってこれて非常に楽しかったです。ありがとうございました(笑)


細かい話は非公開の方に書きなぐったので、記録がてらざっくり感想メモ。
そういえば私は踊る人が好きだったのだという基本的なことを思い出せた公演だった。たまたま好きになった人たちが殺陣の天才兄弟だっただけで、そもそも殺陣に興味ないのよ私。他の舞台の殺陣の時間とか完全に休憩時間だし、Shockの殺陣15分ぶっ通しみたいなのとか、飽きるだろそれ、くらいにしか思えないのね(それがよくここ2年こんなに殺陣ばっか見れてるものだよね、偉大だな早乙女兄弟)
だから、すごい楽しかった。VIVA尊王攘夷とかあの辺のアンサンブル扱いみたいなダンスのとこがほんっっっと至福の時間だった…。ただでさえ踊る姿を見る機会が激減している解散後なので、沁みわたったわ。黒のノースリーブも、新撰組入隊前のグレーのパーカーも可愛くて満足。あの和洋折衷衣装に、ねじってまとめたポニテ超可愛かったし。最初のお扇子はもういうことない…っていうか想定してたのの遥か上をいく美しさでちょっと目を疑ったわwほんっと、見るたび印象が違うからびっくりするw

あとダンシングドールかざみんがすごかった。ゆっくん見てる時間と張るくらい、かざみんに釘付け。まじで洋風のお人形さんだったー。出番多いよねぇ…ほぼかざみ無双状態だったのでは。邪蛮の周りで、闇の象徴みたいにずーっと踊ってるの素敵だったわ…ああいう演出も好きだし。ダンスはもちろん、扇子や剣持っても扱い上手いし、喋るとやたらいい声だし弱点どこだよって思いながら見てたwレボリューションあたりの黒パーカー可愛かったなー。
邪蛮様とかざみんのシーンをあの値段で見れただけでもお得感あったわ。気持ち的にはあの部分だけでもっと払える。

最後の衣装は、なんかもうごちそうさまですとしか言いようがないんだけど、なんだったんだろうあれはwカテコで海宝ゆっくんかざみん並びになってたときがたいそう可愛かったです。

夕陽伝 10/25マチネ@サンシャイン劇場

3週間ぶりの観劇。ぬるっとDステデビューをしてきたよ。
2階席からまったり見てたので姿は見えなかったけど、和田が観劇にきていた。今年2度目の和田と同日観劇w世代的に初期メンバーは知ってるものの、Dボの若手を覚えることなんて一生ないと思ってたのに、気づけばずいぶんわかるようになってて恐ろしいですね…そんな成長いらなかった(笑)

全体の感想としては、うーん。腹八分目…七分目くらい?(笑)あずみになれた感覚で行っちゃったのがよくなかったのか、珍しくテンポが合わなかった。決してテンポが悪いわけではないし、ストーリーも好みのネタだし(日本神話大好き!)、キャストもキャラもよくて全然文句ないのだけど、なんかいまひとつ入り込みきれなかったなー。何かがかみ合わなかった、私と。私の方がちょっと先に走っちゃってる感じがしたから私のせいかな。
でも面白かったので行って損はない。りゅきたん超可愛かったし(つか作品以外で初めて見たけど、あんなにナチュラルなお芝居もできる子なんだなー)、運よく最後の日替わり挨拶もりゅきだったし!俺の陣で気になったしゅーとくんはやっぱり器用な子という印象。瀬戸さんは顔とスタイルが抜群によかった。顔ちいせぇ。あと風花が!期待していったけど期待以上によかった!ああいうヒロインすごく好き!!陽向の元気で可愛い感じと、死人姫の艶っぽさの両方楽しめるのもお得。全然色気のあるタイプじゃないと思ってるのだけど、死人姫が時々妙に色っぽくてびっくりした。終盤の「ごめん…おまえじゃない」はぞっとしたわ。都月不憫すぎる…。

そしてついったにも書いたけど、池岡さんの毘流古。凄かった。派手にメイクしたビジュアルも綺麗だったし、細身の体で演じる「骨がない異形の者」がなんとも不気味で悲しくて、とても色っぽかった。イメージ全然違う。キラキラしたんじゃない、あとねっとりして面倒な色気たまらん。毘流古、ひたすらにかわいそうな子だったなー。全体に誰も幸せにならないし、よく考えるともっと救いのない人いっぱいいたけど、でも一番かわいそうって思ったのは毘流古だった。
死んでからの陽向と毘流古の関係が好きだった。ああなった意図までは読み切れなかったのだけど、あやすみたいに毘流古を抱きしめる陽向の手と、陽向を抱きしめる毘流古のどこかじゃれつくような雰囲気がとても好きだった。切ない。

誰も幸せにならない終わり方をする、あの感じは好き。主役にあまり感情移入できないタイプなので、主役がヒーローとしてめでたしめでたしして終わる勧善懲悪ものが嫌いな私には、だれかだけ幸せになるよりは誰も幸せになれない方が向いている(笑)不完全燃焼感あったとはいえ、見れてよかった。2、3回入ってたらもっと入り込めた気がする。