風の果て

恋をしただけ それだけのことを

俺とおまえの夏の陣 7/10マチネ@銀河劇場

まだ2年目だけど、来年も再来年も夏がきたら俺の陣を観れたらいい。最後の蝉の声と、終演後外に出たときの暑さと磯の香りと、全部ひっくるめて、毎年夏がきたら一瞬だけ訪れるお楽しみ、みたいな演目になっていってほしい。

…ってポエムモードになるくらいw、今年も俺の陣がよかったよーーー!戦国時代の話なのにやたらと穏やかで優しくて軽快で、最後は切ないけど、押しつけがましい悲しさじゃなくて、本当にいい作品だなぁ…。見終わった後に充実してふわふわした感覚で天王洲アイルまで歩く短い道のりが好きだ。
まぁその1時間後には紀伊國屋ホールで清家さんの怒号を気持ちよく浴びてたんですけどね。おたくの夏は忙しい。


去年が好きすぎたからちょっと心配だったけど、今年は今年でまた違った良さがあった。
玉圭の政宗&小十郎は歳も近いしもともと仲良いから、主従関係でありながら親友でもある雰囲気が眩しかったのに対して、今年はある程度年齢差があるうえに須賀くんの見た目が幼くて、10歳差っていう政宗と小十郎の関係がわかりやすかったかな。序盤は染様がほんとに「守り役」ってイメージぴったりだった。あと玉ちゃんの政宗さまはまさに「派手好き!」って感じの超カリスマだったけど(そもそも顔が派手だしなw)、須賀くんは割と天真爛漫な感じで、それでいながらにして人の上に立つ貫禄はあるというか、生まれたときから立つべき場所がここでした、みたいなナチュラルさで家臣たちを従えている雰囲気があってさすがであった…。

当日券買ったらド見切れで、下手がほとんど見えなかった(だいたいナレの人が見えないので常に影ナレ状態)のと、アフトクで最下手にいた中屋敷さんを、パンサーの腕の先すら拝めなかったことだけが残念でした。まぁ買えただけよかったよ…。


  • 須賀くん

実年齢よりさらに下に見える小柄・童顔ビジュアルに、これ終盤(晩年のシーン)大丈夫なのかね…などと思っていたのは最初だけで、あっという間に政宗様として受け入れられたし、アドリブにも動じないしすげぇ貫禄だった…そりゃそうですよね、誰よりもベテランでございましたね…。ちっちゃい王様だったわ。
普段は極力双眼鏡使わないのだけど、今回はストーリーが進むにつれて青年期・壮年期と変わっていく須賀くんの表情が見事で、双眼鏡フル活用だった。大仰な表現でなくああいう感情が表せるの、映像班って感じがする。アドリブや笑いのパートの強心臓ぶりも好き(笑)

あ、でも梵天丸は玉ちゃんの方が好きだったな。あの声でショタ役演じるの性癖ど真ん中ごちそうさまです!っていう興奮がなくてちょっと寂しい(笑)

  • そめやくん

そめやくんの小十郎超よかった!わかってたけど良かった!前日の怪演ぶりが嘘のように、落ち着いて穏やかでちょっと抜けてる小十郎パパで、とても愛おしい。……かと思ったけど、こちらでもちゃんと人の台本を閉じる妖怪は出現していらっしゃったw寝ている政宗様の台本を閉じて差し上げようとする染様に、必死で抵抗する須賀くんがじたばたしていて可愛かったw(その後、「お前台本を閉じてみろ!」って仕返しする須賀政宗様)(おつよい)。
終盤弱っていく小十郎が、時々ほんとに死ぬんちゃうかってくらい危うくて美しかった。老いというより、この世のものでなくなっていく美しさ。

  • まりおくん

冒頭、幼少期重長から始まるんだけど、ちゃんと見た目から幼くなってて「べ、別人~~」ってなりました。前髪降ろすとだいぶ雰囲気変わるね(ちなみに上げてる方が好きです)。でっかい重長(ショタ設定)とちっちゃいお館様の手合わせはなんだか微笑ましかった。俺の陣の重長は現代っ子み溢れてて好きだ。小生意気でちょっと調子に乗ってる元気な少年。
重長役以外だと、去年はしゅーとくんが一人でやってた「好色じじいと膝の上の女」の女役がまりおくんになっていて、猪塚がまりおくんの桃尻を撫でまわすという事案が発生していた。すごい笑ったw

  • 猪塚くん

一番事前情報を持たずに見た猪塚くんだったけど、このポジションに置かれただけあって、細かく小ネタ挟んでくれて面白かった。顔だちがはっきりしてるうえに、役の切り替えをわざと大げさな感じにしてるので、どの役もアクが強いというか顔がやかましいというかw1つ1つのインパクトが強いwちなみに当初13役?だったのが、最後の最後で双子のオカマ(オネエA、オネエB)が追加投入されたらしいです。何の前触れもなく突然のオカマだった。
去年も「しゅーとくんの乳母めっちゃ好き!」って言った気がするんだけど、今年もやたらと乳母が好きだったので、俺の陣の推しはきた姉ちゃんなのかもしれない(笑)猪塚くんのきた姉ちゃん、すごい美人だった。


中屋敷さんの作品って、一見ミーハーに集めたようで、一定以上スキルのある子しか出ないと思っていて。根がドルオタなので若年層が育っていく舞台の方が好みではあるんだけど、こういう「ここに来たら絶対いいものが見れる」って思えるものがあるとありがたいよね。
…と思えるくらいよかったけど、それを踏まえてもなお去年のしゅーとくん凄かったなぁってのも、改めて思いましたね。あれは本当に見た甲斐があった…。
アフトクの話もつらつら書きたいけど、そろそろ寝ないと明日に響くのでとりあえず本編感想だけ。気が向いたらアフトク追記しよう。