風の果て

恋をしただけ それだけのことを

Please Please Pleaseを見てきたよ

普段映画の感想は別のところに壁打ちしてるのだけど、今回はこっちに。ついったに感想落とすには長くなりそうだったのと、正直期待しないで見にいったら意外と好きなやつだったので、せっかくだから見えるところに置いておこうかなって。といっても書き方は変えてないので、基本自分用です。


舞台メインの若手俳優で撮ってるからシネマート新宿だったけど、映像寄りの若手でやってたらユーロスペースだっただろうな、みたいな映画だった。ユーロとかアップリンクとかでよく見るタイプの映画(伝わらない感想)
映像の質感が好きだった。あの港町の寂しい感じとか、寒々しい海とか、その中でどうしようもないんだけど、どうにかして生きようとあがいている男の子たちの美しさとか。そこはゴミ溜めかもしれないしクズや馬鹿ばっかりの世界かもしれないけど、馬鹿なりに守ったり守られたりしながら足掻いている感じ、好きだなぁ。哀しいけど。時々挟み込まれる、夢か現実かわからないような描写(おばあちゃんちでの宴会のところとか、女の子のモノローグで語られる父親の家での出来事とか)もよかった。
ただ、あの語り部である女の子の台詞が多すぎて、どっちかというと尺が足りない部分をナレベでお送りされたような気持ちになってしまうので、ちょっと邪魔だったかな(笑)徹底してシンジやナオのモノローグがなかったので、わざと全部客観で語られる作りにしてるんだろうけど、あれで一回一回我に返ってしまうんだよなw

あと、さとうりゅーじのPVだと思って見に行ったら、むしろさとうひさのりのPVとして優秀だった。ちゃんと見たの初めてだったんだけど、舞台の印象しかなかったから映像であんなに映える子だったとは知らず驚いた。すごい綺麗だったー。りゅーじくんの方がお兄ちゃんってどうなのよ?って部分も全然問題なくて、ナオは間違いなく可愛い弟だった。おばあちゃんちでゲラゲラ笑いながら酒飲んでるシーンとか、台所でわちゃわちゃチャーハン作ってるのとか、いかにも兄弟!な感じが可愛かったなぁシンジとナオ。2人ぼっちで。
あぁそう、この映画、唐突にりゅーじくんとさとちゃんが一緒にチャーハン作って、小学生女児を交えて食卓を囲むシーンが投入されているのでみんな見た方がいいよ。最悪話が気に入らなくてもそこに映画代かけれるぞ(笑)

  • シンジ

さとうりゅーじは顔が綺麗だ。…っていうのを開始1秒で突き付けられるOPのドアップが良かった。スクリーンサイズで下睫毛のドアップなんてそうそう見れるもんじゃない。かっこつけでいつも一人で浸ってるナルシスト(アオイさん談)のシンジ。強がりでかっこつけで、そのくせ誰よりも夢見てる人で、ドラム叩いてるときの楽しそうな顔が眩しかったわ。可愛いなぁ。「騙される側」になったとき、そこからシンジはさらに転落していくのかなぁと思ったのだけど、むしろそこからの方が這い上がろうとしていたように感じたかも。あと2度目にばーちゃんのうちに行った理由を、ナオは「まんじゅう持ってきた」っていうんだけど、シンジは最初からド直球に「なんとなくばーちゃんの顔が見たくなって」って言ったり、妙に素直でまっすぐで可愛いんだよなシンジ。根っこが綺麗な子なんだろう。
ちなみに一瞬まりおくん出てるので、三日月おじいちゃんと清光の転生現パロごっこができるかと思ったんですけど、全然そういうキャラじゃなかったので特に妄想ははかどりませんでした(不要な報告)。

  • ナオ

さっきも書いたけど、まー可愛かった。さらさらの金髪で、たまり場の映画館の椅子の上にしゃがみこんだ背中が華奢で少年のようだったわ。仲間に暴力ふるったり悪だくみしたりするときの、ふっと笑った瞬間に細める目が好きだったなあ、ちょっと狂気じみてて。そのくせシンジに対してはThe弟で、ムキになってきゃんきゃん吠えてる感じが大変かわいらしかった。海辺の兄弟喧嘩とか(笑)大人びた中に、無邪気な子供が残ってるみたいなアンバランスさが危うくて魅力的だった。
あとなんか急にマッサージサービスシーンが放り込まれたのでどういうことだよって思いました。ほんとどういうことなんだあのシーン。

  • アオイ

悪いともるちゃんかっこよかったー!一番大人で一番悪くて、よくもわるくも唯一最後までブレなかった人。この物語はシンジに捨てられた女の子の回想だけど、その子が語るシンジとナオの話の大半はアオイが教えたものなわけで、つまりこの話はアオイから見たシンジとナオの物語なんだよなぁ。穏やかな口調で、全部知ってるみたいに話すアオイさんのろくでもない感じとても好きでした。可愛いイメージが強かったけど、こういう役似合うのね。「絶対この人にかかわっちゃだめだ」って思いながらも、惹きつけられてしまうタイプの人。
ラストシーンのアオイは何を思い、どこへ向かったんだろう。
…みたいなことを、考えながら2回目見るのもありだなと思った。スケジュール的にもう行けないし、2回見るほどにはハマらなかったけど。



しょーもないアイドル映画も大好きなので、若手俳優どちゃっといっぱい出して作るチープなトンチキ映画とかも結構楽しんじゃうんだけど。Please3はそういうのともちょっと違ってて、こういうテイストのものが見れると思ってなかったから嬉しかったな。
しかし私が見た回、全部で10人いるかいないかだったんだけど、終わったあと聞こえてくる会話が「よくわかんなかったー」ばっかりでずっこけた。まぁファン層とは合わない作品かもなーwと思いつつ、でもそういう作品を映像でやれるのはよいことだなと。観に行って良かったです。