風の果て

恋をしただけ それだけのことを

髑髏城の七人 Season月<下弦の月> 1/27ソワレ@ステージアラウンドシアター

1か月半ぶりに下弦を見てみたら、きりちゃんがステアラを抱いていた。衝撃。

1幕時点で下弦きりちゃん14歳くらいになったなぁ。子猫の成長は速いなぁとか思ってたら、後半とんだ男前になっていて完全に360度抱いてた。なんということだ。初期はちっちゃいのに泣かなくて強い子でえらいね、ビスコあげようねとか言ってたのに…もうきりちゃんなんて呼べない…あれはきりちゃんさん…。


というわけで以下、ちゃんとも蘭の経過観察をしに行くはずだったのに、帰ってきてからほぼきりちゃんの話しかしてない人の感想。上弦との比較もちょいちょい挟んでるけど、これは1/5ソワレ時点での上弦の話をベースにしています(…って書いておかないと混乱が生じるからね、上弦は!w)


初見より飽きずに見れたのは、全体にテンポアップしたんだろうか。それとも私が前回モンテからの梯子で、体内に北区のスピード感を宿したまま見てしまったのがいけなかったんだろうか(笑)
安定の下弦。この言い方が正しいかわからないけど、「普通に」お芝居を観ていられる。普通に演劇見に来て椅子座って提供されたものを観て、よかったねーって言って帰れる。身体に優しい。上弦はなんだろう…何を見せられているんだろうあれは…w

  • 日替わりとか

・荒武者隊の歌は「♪突っ張ることが男の~たった一つの勲章だって~」。ガニ股でのしのし歩いて労働に向かう荒武者隊の皆さん可愛かったけど、これ上弦で歌うべき曲だわ。
・~ずらのくだり。兵「ゴズラ!太夫一緒に見に行こう!チケットは捨之介が取ってくれるはずだ!」
・ゴズラ出た瞬間、捨霧同時に撃沈してて可愛かった。後ろ向いたままぷるぷるしてるきりちぁ。
・兵「主役の声優さんがいいんだよなぁ~」捨「なんかありがとう!w」
・生駒潔癖なの~はなし。残念。
・生駒「スターウォーズ!お前この間スターウォーズやっと見れた~俺もライトセーバーみたいなのほしいって裏垢に書いてただろ!」
・上司に裏垢の存在がばれてる髑髏党員がいる下弦チーム
・カテコ2回目、太夫とおてて繋いでルンルンしながら出てくる兵庫ちん。帰りは安定のちゃんともエスコート。
・蘭が差し出した手をすぐとらず、なんかわちゃわちゃしてた蘭極。カテコでいちゃつくんじゃないw
・トリプルカテコ。ひろきくんのエアバンドに合わせて指揮を取り始めるちゃんとも→なぜか自分も指揮者になるひろきくん→捨を挟んで向かい合う形で指揮棒を振りあう天蘭…というエデンが広がっていた。知らないうちに三途の川渡ったかと思った。
・ラスト捌け際、ちゃんともがこーだいくんを捕まえてバイバーイって手を振らせていたのが本日の可愛い大賞。

  • きりちゃん

最初にきりちゃんの話。もともと強くて反抗的ながきんちょだった下弦きりちゃんだけど、その子どもらしさを残したまま度胸や賢さがぐっと前面に出てきたイメージ。1幕でクソガキが過ぎて、太夫のお説教の量が増し増しになってたのは笑ったんだけどw、後半一気にかっこよくなるので大変だった。とんだカリスマが潜んでいた。

霧丸はそもそもが天才児であるわけだけど、上弦は才はあるけど子どもだからおじいが影武者になってみんなに守られて生きてきた印象に対し、下弦は本当に子どもが大人たちを率いてきたパターン。最後家康と交渉するとこのドーンとした態度とか、虚勢張ってでも大人と対等にやりあってきた子だなぁって。だからこそ警戒心強くて頑なに心開かないんだけど、そんなきりちゃんがこいつの手は取っても大丈夫って決めた大人が捨だったんだろうな。下弦のきりちゃんが天魔の鎧着た捨を見抜ける理由付けが弱い気がしてたんだけど(沙霧の女の勘とか恋心とかが作用しないから)、それは捨が信頼して助け合おうって思える大人だったからなのかもしれない。え?上弦の理由ですか?上弦捨霧はシンメなのであんな仮面くらいじゃ惑わされませんよ(雑)
口説きのあと捨に助けられたきりちゃんが食って掛かるシーン、きりちゃん本当に捨を敵と認識した目をしてるんだけど、昔話を聞いてるうちにそれが和らいでいって、最後「案内してくれ」っていわれたときに嬉しそうな顔するのが可愛い。自分が作った自慢の城だもんね。誰よりもきりちゃんが詳しいんだもんね。

あと単純に戦闘力がめちゃくちゃ高いので、百人斬りでたぶん80人くらいきりちゃんが蹴り殺してたし、最後脱出するときも完全にきりちゃんが捨を連れて逃げてたし、すっかり最強キャラである。頭の回転の速さとリーダーシップと、子どもであるがゆえの強さを併せ持ったきりちゃん、ラストシーンではそれぞれの道に旅立つ大人たちを笑いながら見守っていたのが印象的だった。下弦はやっぱり大人の物語だからさ、根拠のない自信や勢いだけで未来になんて向かえないんだよな~~…というところを持ち上げる子どもの強さはすごい。きりちゃんはすごい。
あと家康との交渉に成功した後、一瞬へたぁぁ~となったあとに、座り込んでる捨のところに行って抱きしめて背中ポンポンしてたのがあまりに男前だった。太夫にも腕広げて飛び込ませるしさぁ。どこで覚えてきたんだよそんなこと。おまえ、熊木の里でめちゃくちゃモテたな???(笑)

一幕は前回とそんなに印象違わないかな。ふっと目が鋭くなる瞬間のさじ加減は変わってるけど、前回座席的に見えない表情が多かったので上手く比較できない。ガールズたちときゃっきゃしてるときは普通に可愛い笑顔なんだけど、太夫抱きしめる前後はちょっと嘘っぽくなるのが良い。あとここの一連の流れ、木の横できりちゃんがずっっっと見てるのね。だから蘭が抜け出すのすぐ気づいて追いかけたのか。
狸穴さんに気付いたとき、ちょっと離れたとこにいた捨の袖に手を伸ばして、「ねぇ!ねぇねぇ!」ってパシパシしてたの可愛かったな~。顔におっきく「びっくり!!」って書いてあった。可愛すぎる。基本落ち着いた美人なのに、驚いたりムッといたりすると急に表情が幼くなるので、やっぱ下弦捨蘭はおにいと末の妹。
あと黄泉の笛の殺陣がすごくよくなってた!速さも出てきたし、みうらんべの肉斬ってる殺陣と対照的に滑るように刀が舞うのもキャラに合ってて好き。しかし月髑髏としては殺陣師一緒のはずなのに、こうやって比べると本当にみうらんべは師匠仕込みの動きしますね…w

二幕。夢見酒は蘭を強制的に堕とすために使用されるのだという基本事項を久しぶりに思い出した。このシーンは別に天蘭の濃厚キスシーンを拝むためのものではない(笑)。吐血凄い綺麗に流れてたなこの回。口移しのあと、暴れる蘭の頭ごと天魔王が抱え込むみたいにして押さえつけてて、蘭が自ら盃を飲み干すときもひどく辛そうな顔をしていて、あぁそれでも飲むんだね…飲んじゃうんだな…というしんどさがあった。ギリギリまで蘭兵衛の意思が生きてる感じ。
……なんですけど、次の瞬間殿の鎧といちゃつきだすから、こっちの感情が追いつかないよね!!w12/16時点ではまだあの尻尾持ち上げて「ちゅっ♡」くらいの感じだったのに、しっかり口の中に入ってましたね。ちゃんともはちょっとあとで職員室にきなさい。なんなら殿もまとめて職員室に来い(笑)
それでいながら、「待て天魔王、俺がやる」からは思いっきり顔つき変わってて完全なるサイコパスだし、天魔王がきりちゃん煽ってるときは興味なさそうに口元の血拭ってぺろっとしたりサイドの散った髪直したりしてるし、ほんと何なのこいつ。戦場と床の中では無敵ってことはわかるけど(笑)

そのあとは捨を捕らえるシーンで完全に目が据わってたのと(ここのワンレンロング蘭超美人だからワンシーンしかないの惜しい)、無界の里での「楽しいなぁ!」がそれはまぁ楽しそうでよかったですね。一幕でこんなにメイク薄かったっけ?となったのだけど(シャドウもうちょい濃い方が好み)、蘭丸の戦闘時メイクが超美人さんでよかった。後半汗ばんで崩れてきてからの方が美しさの迫力が増してたの、どこまでも戦場で映える蘭だなぁ。指先の血を吸い取るときにリップ音が綺麗にマイクに乗ってて、あれを確実にオンマイクで披露するちゃんともさんは偉いなと思った。プロの仕事だ(笑)

  • 捨とか天とか諸々

まとめちゃってごめん(笑)
・捨、2回目なのに、第一声の「いけねぇなぁ~」がイケボすぎて新鮮に笑ってしまった。声が良すぎる(笑)
・すずひろ天魔王様は六欲天ダンスが最高すぎるので、あそこだけ動画先行配信してほしい。通勤中とかに見たら元気出そう。
・あとすずひろ天魔王様、もうちょっと乗せたらドクロジョーラップやってくれそうじゃない?先生のドクロジョーラップめっちゃ観たいんだけど。
・下弦の荒武者隊に推しをつくりたいんだけど、ピンとくるのがいなくてやはり上弦青吉しか…あいりたん…
・下弦荒武者隊はガヤ入れのときにガヤとして適切なボリュームで喋るのがえらい。上弦は全員我が我がで喋るからうるさいんだなw
・久々に見る下弦無界の里の民度の高さ
・おきりちゃん、ぷりっとしててハスキーボイスで可愛いなぁ
・下弦の兵庫と太夫、歳の差はあれどちゃんと大人の二人だから、人間らしい弱さがあってよかったなぁ。一人だったらくじけてたかもしれないけど、互いに叱咤しながら戦って生き抜いて、この先も生きていくんだろう。
・そんな二人だから、プロポーズが何気ないご飯の話なのがぐっとくる。

  • 余談(下弦天蘭の話)

下弦蘭、オプションが多い上にインパクト強いから混乱するだけで、案外シンプルに戦と人殺しと殿が好きな蘭だったのかもしれないなぁと。好きなものとそれ以外で世界が綺麗に分かれているタイプ。「それ以外」しかなくなった世界で、それでも生きていくためには蘭兵衛が必要だったし、蘭兵衛でい続けなくてはならなかったのかもしれない。そう思うとつくづく殿の「生きろ」は呪いだよね。あんなに殿にしか興味ないのに。目の前の天魔王にすら興味なさそうなのに。

下弦は天が明らかに高偏差値なので、頭脳戦心理戦で人の心を掴んでなり上がっていた天と、直情型で戦場の美しき鬼神みたいな蘭は昔からビジネスパートナーとしては最高タッグだったのかもしれなくて。無界襲撃も実際そんな感じだし(天魔王が引き上げるぞっていうとき、蘭はまだもう一狩り行く気満々の顔でスタンバってたので、あれはほっといたらどこまででも殺しそう)(怖い)。きっと昔からそんな感じで、でもわかりやすく愛されるのはいつだって蘭で、何か手柄をたてても「殿~褒めて褒めて~」な蘭にはじきとばされてロクに構ってもらえなくて、それであんな拗らせていっちゃったのかな……かわいそうてんまちゃん…。しかももう一人の同期は陰キャの心が理解できないタイプの超陽キャだしさぁ。そりゃ大変だよね。とか考えてたらだんだん天魔王様が不憫に思えてきた。

…みたいな余談をもって、下弦の月残り1か月切ったところまでのレポートとして提出させていただきます。ほんとどう頑張っても昔仲良かったルートに入れないわ、下弦の3人w
さ、今夜は上弦だよー!