風の果て

恋をしただけ それだけのことを

おぼんろ「キャガプシー」5/26昼@キャガプシーシアター

2回目の観劇。3公演DAYだったので、マチソワよりは朝昼夜表記かなと(笑)
念願のヒルプシー、かつラストキャガプシーでした。珍しくぼっちじゃなくお友達と入ったので、終演後に観覧車も乗れてめっちゃ楽しかった。ぼっちテント観劇は全然平気だけど、ぼっち観覧車はさすがにハードル高いよ(笑)


友達に誘われて普段見に行かないものに行くことはちょこちょこあるのだけど、どっちかというと誰からも誘われていないものを偶然見つけてふらっと入ってそのままドボン、ってことの方が多くて、新しく何かにハマるとだいたい友達ゼロ情報ゼロの状態からのスタートになるので、終演後に喋れる相手がいるのが嬉しかった(笑)ありがと。


曇りだったのがちょっと残念だけど、昼よかったー。夜はだんだん暗くなって照明が綺麗で…っていう時間の流れによる効果が凄いんだけど、昼はそういう部分に気を取られない分、お芝居一本勝負で集中して見れた気がする。テントの外は昼間の方が格段に騒がしいはずなのに。
テントが開いて明るい外の世界が待っていて、シャボン玉が飛んでたの綺麗だったなー。同じ「世界は綺麗だ」でも、昼間の光景と夜景とで「綺麗」の印象がだいぶ違う。どっちも好きだけど、昼の方が合ってるかな。あと外のキャガプシーたちが応援してくれるシーン、暗闇だとどうしてもポルターガイストみを帯びてしまうのでw、あそこも昼の方が好き。


ウナサレの「幸せになりたーい!」が直撃する位置で見てしまったので、間にいるトラワレの表情込みでめちゃくちゃ刺さってしまった。「幸せになりたい」って願望としては凄くシンプルで当たり前のものだけど、ネズミもツミもトラワレも言えなかったことなんだよね。誰も怖くて口にできなかった、してはいけないと思っていたそれを、ウナサレは叫べるんだなぁ。

初見はウナサレのピュアっぷりが際立って感じたんだけど、結末を知ってる状態で見るとウナサレが一番全部を知ってるわけで。決闘のこと知ってる上で仲良くなろうとするし、悪夢をシェアできるならひょっとしてネズミとツミの10年前のあれそれも全部知っていたのかもしれないし、それでいながら幸せになる道を本気で探そうとするあの強さは希望だ。
なんならトラワレの方がまっさらなんだよね。最低限の関りしか持たないまま、ネズミの言葉に言いくるめられてキャガプシー壊し続けて。「勝ってあげるんです」と言いながら壊されることを願うトラワレは、それまで逃げるとか辞めるとかいう選択肢すら持ってなかったんだから。それがウナサレの出現によって、殺してきた感情が急に息を吹き返しちゃったもんだから、後半のトラワレは凄い感情的だし笑いもするしめちゃくちゃ傷つく。森の中でネズミに騙されるとこ、「あーそっち信じちゃうんだ?」って思うんだけど(ウナサレだっただら流されなかったんじゃないかな)、そもそも10年前からずっと一緒にいたのはネズミの方だし、きっと「いつかすべての穢れがなくなったら~」っていうのだって、どっかで信じてたんだろう。
存在そのものが凄い綺麗で危うくて、だからほんとにウナサレはずっと一緒にいてやってほしかったんだけど、いやいてくれはするんだろうけど、外の世界に出たトラワレって結局物理的には一人になっちゃうんだよなー。ジュロコロもネズミにあげちゃったし…とか考えてたら切なくなってきたので、その辺の続編?スピンオフ?的なお話も見てみたい。その先に幸せがあるのかどうか、わからないけど。

あとネズミとツミちゃんの関係が見るたび愛おしくなるし、結末知った状態で観る、最初のトラワレとウナサレのやりとりでのネズミの表情とかたまらない気持ちになるので、あの二人には絶対幸せになってほしい。自分を不幸に生まれたというツミちゃんの「ちょっとくらい笑ったっていいじゃないか」じゃないけど(こことても好き)、あれだけ苦しい生き方してきたなら、もういい加減幸せになったっていいじゃない。


あーなんか、こういう劇団公演久しぶりで楽しかったなー。2.5は観に行くのも楽だし気軽でいいけど、規模がでかくて制約が厳しい分事件性は低いので、その時その時で融通効かせながら色んなもの見せてもらえるこの感じが好きだなと。テントじゃなくても、小劇場は見に行く方もそれなりに大変なんだけどwほんとはこっちが性に合ってる(笑)
いいもん見ました。観に行けてよかった。次も絶対行こう。