風の果て

恋をしただけ それだけのことを

イヴ・サンローラン 3/2ソワレ@よみうり大手町ホール

発表から気になっていて、結局東山イヴの東京楽に滑り込んできましたー。これ他の組み合わせも見たり、予習したりしてたら全然違うんだろうな、という感じはしたけど、とりあえず一番見たかった東山イヴ&大山ピエールが観れてよかった。久しぶりに性別が消えてるほうの東山さんを見た(笑)


思ってたよりずっとポップで楽しかったなー!決してハッピーなだけの話ではないのだけど、ポップなナンバーと高級メゾンの名前が飛び交い、次から次へとお洋服が出てくる舞台、観ているだけで人生が潤う。心の栄養。
ストーリーテラーが、とびっきりキュートなルル(本当に可愛い。妖精。)と、爽やかなキレ者川原ディオールだったのも全体の印象が軽やかになってよかった。その軽快さが、辛い部分をさらに濃くするときがあったことも含めて。そこにココ・シャネル様(圧倒的に強い)が絡んでくるから、ひたすら見ていて楽しかった。英霊たちのテンポのいいやり取り、気持ちいい。
ルルはほんっとーーーに可愛かったなーー!!終盤だけルゥルゥとしても出てきて直接イヴと絡むのも良かった。

東山イヴ、「ガラスのように繊細な」という表現がぴったりくる細やかさ危うさなのだけど、単純に触れたら壊れそうというより、触れた者の方がその割れた破片で傷つきそうなパワーがあって、そのバランスが絶妙だった。ひとつの時代の頂点に立った人の独特な強さ。その厄介で魅力的な天才をすっぽり包み込む大山ピエールの包容力がまた良かった。まじですっぽり包み込んでた、物理的に。縦にも横にもでかい。
そんな二人なので1幕のラブラブした雰囲気はとっても可愛くて、舞台全体の明るさもあって、見ていてニコニコしてしまった。表情金が緩む。1幕ラストのイヴとピエールによるテーマ曲が最高でしたね。2幕は一転、戦争や気持ちのすれ違いでどうにもならないシーンが続くのだけど、基本的にすごく踊る舞台なので感情が荒くなればなるほどダンスシーンの見応えが増していくのがね……好き…。(戦争のシーンでガラっと違うダンスが観れるのがまたよかった)
戦争の傷からイヴを引き上げたのは間違いなくピエールだったと思うし、あのラストシーンにはまだ修復の希望がある気がしたのだけど、あの香水のくだりでイヴに生まれたのは失望や落胆じゃなくて諦めだったのかなぁ。あと少しで交わりそうなのに交わらないまま、それでも離れられないあのラストが、この作品は綺麗なファンタジーじゃなくて生身の人間の生きた物語なのだということを思い出させてくれた。バッドエンドだとは思っていないし、むしろギリハッピーエンドだとは思っているけれど。

あ、序盤、17歳のイヴのシーンで出てきた男の子(和田たいちゃん)がどういう意味合いを持っていたのか最後までわからないままだったので、そこだけちょっと気になってる。始めは当時の彼氏だと思って見てたけど、戦争のシーンとかイヴにとってつらい出来事が起きるシーンに現れては踊っていたので、きっと何か特別な子なんだろう。史実調べたら出てくるかな。

題材がYSLなのでとにかく出てくる衣装の数がすごいのだけど、男性アンサンブル4人衆が何を着ても似合っていたのも最高でした。中塚さんの足の長さに気を取られて時々ストーリー入ってこなくなるw単にスタイルがいいっていうより、「服が似合う」んですよね。青木さんとか本職モデルなのか?ってくらいあらゆる服が似合ってた(実際モデルもやってるっぽいけど)(っていうか調べたら刀ミュのダンサーなんだね。)
その服が似合う人たちの中に入っていたやすし(お久しぶり!w)、身長はそこまでじゃないけど肩幅があるのでガタイで負けなくて良いな~~などと思っていたら、終盤イヴの浮気相手役としてゴリッゴリに踊る色っぽい見せ場があってひっくり返った。あそこの東山さんとのダンスちょーーよかった。あそこだけリピりたい。イヴとピエールには艶っぽいシーンないから油断してたら、急にガッツリでしたね。ガッツリでしたわ。


東京千秋楽ということでスタオベもあり、満足度の高い観劇でした。
この後アルターが始まってから兵庫公演があるのどう考えてもおかしいと思うんだけど、掛け持ち組は頑張って…wそういう組み方してくること自体は嫌いじゃない(笑)

なつのお題箱