風の果て

恋をしただけ それだけのことを

【覚書】怪談・にせ皿屋敷@青山劇場 その1【出演者雑感】

にせ皿雑感。結局まともな感想文書けなかったなー。
(2014.07.20)


6/21マチネ 1階N列下手側。 師匠:友貴、客席ゲスト:れおん
6/21ソワレ 2階B列センター 師匠:市瀬さん、客席ゲスト:森三中大島
6/22ソワレ 1階H列上手側  師匠:細貝圭、DVD収録のためか客席ゲストなし
バランス良くいろんなところから見れて満足。2階席から見る群舞は圧巻だったし、H列から見る超至近距離の暴虐シーンはつらさ5割ましでそれはそれでよかったし、21日マチネは奇跡の友貴席だったので、もう思い残すことはぴろしを拝めなかったことくらいである。


・太一(播磨)
言葉で全部を言い表せる気がしなくて、結局あれが可愛かったとかあそこが綺麗だったとかそういうことしか書けないのがもどかしいなぁ。登場シーン、播磨の笑い声が響いた瞬間からもう存在感が圧倒的なんだよ。くるくる変わる表情と派手な動きで大暴れするバカ殿播磨様凄くよかった。ほんとにバカっぽくて(笑)馬鹿でわがままで子供っぽくてまっすぐでファンキーなお殿様。前半は見た目の派手さもあって愉快な暴君として見ていたのだけど、後半、白のシンプルな着流しに着替えて髪もさらすっとんで出てきたときにあまりに美しくてびっくりした。金髪デコ出しすっげー可愛い。後ろ切っちゃったからさっぱりして幼くも見えるんだけど、白いお着物すっごい似合ってて色っぽくてずっと双眼鏡でドアップで眺めていたかった…。
鉄に「女郎の子」ってなじられたときに、キッと顔だけ上げるけど何も言わないし何もしなかったのが、もうその言葉に反論するのも馬鹿馬鹿しいくらい言われ続けてきた言葉だったんだろうなぁと思ったり。あの場面の播磨様凄く綺麗だった。あと最後の死んでる播磨様の美しさがこの世のものとは思えぬ完璧さだったので、世界で二番目に美しい死体は太一くんに認定しました。一番はやまぴーです。

井戸端で女中たちをいたぶるシーンの怖さと痛さは、もうねぇ。太一くんは役をそのまま自分に憑りつかせるタイプだから生身の激情がダイレクトにぶつかってきて、ほんと受け止めるのにエネルギー使う。客が逃げられない。裏切られて見捨てられて誰もいなくなって、最初から一人だったけどもっと一人になっちゃって、お菊の前で泣き崩れる播磨切なくてなぁ…。最後、げんまんくらいさせてあげられたらよかったのにね。「真の愛」は浴びるほど受けていたけど、あんなんでお菊ちゃんは成仏できたんだろうか。どうせなら二人一緒に地獄行も悪くないかもしれないけどね。


•美月ちゃん(お菊)
上手い…とは思わなかったんだけど、ビジュアルは可愛いし、あの声が妙にお菊に似合ってた。ブス時代の陰気くささ気持ち悪さと、翔央がぶっこむおっぱいネタにも逡巡しつつ乗っかってくれる思い切りのよさ(さすが福田組)もよかったし、綺麗になってからの播磨様とのラブシーンはそれはそれは美味しゅうございまして、本当にありがとうございました。お菊決まった時に、文句言いつつも「終わるころには美月姫も完全にファミリー感覚なんだろうな」と思ってはいたが、案の定すっかりファミリー感覚です(笑)
お菊ちゃん、とにかく可愛かった。カテコのダンスの手の振りが最後までちゃんとできなくて、毎回自分もまわりも笑ってたのが最高に可愛かった。もう可愛いからできなくてもいいや!ってたぶんあの場にいた全員が思ってた(笑)


•ばーちょん(上総之介)
信頼と実績のばーちょん。1年前は「馬場君って誰」って思いながら弁天のすごさだけが残ったけど、今回は凄いの知ったうえでの上総之介だったので、しみじみと感心しながら見てしまった。流れるような長台詞はさすがだなぁ。この人だとどんな台詞でも絶対に綺麗に聴きとれる。先陣切ってかき回す役ではなくてどちらかといえば受け身の方だったけど、山岸や彦兵衛に好き放題いじられたり、播磨様とノリノリでアドリブ合戦してたり、たまに太一くんのリードがっつり引っ張ってくれたり(飼い主…)、ほんとにばーちょんは最高のシンメだなぁ。播磨様が口上練習してるシーンの、二人の阿吽の呼吸のやりとりが好きだった。あと小春にイラっとする上総之介がだんだんヒートアップしてきてて、前楽で彦兵衛に「ちょっと本気でイラっとしてんじゃねーよ」って言われてたのめっちゃ笑ったw小春がまた上手いから、ほんとにイラっとするんだよなあれww終盤の裏切りは、なんだかあまり残酷な感じがしなくて(その他庶民たちが酷かったせいか)、最後まで「偽りだらけの世で偽りの茶番に夢を見る」っていう播磨と近い感覚の「共犯者」だったように思えた。ただそのごちそうの中に播磨そのものまでが含まれてしまっていたわけで、だからこそ播磨にとっては最悪の裏切りになったのだろう。


•ちゃんじん(岩田)
ちゃんじんさん初めましてだったけど、正統派イケメンって感じだった。正統派美形じゃなくて、正統派イケメン。役柄上もあまり崩すところないし、周りがどんなにアドリブで遊んでてもブレずにそこにいてくれたので、全体が締まってよかったなあという印象。今回はこの人とばーちょんがストッパーになってくれたからバランスが良かった。

•銀ちゃん(山岸)
明治座岐阜原点進化忘年祭BUMPにせ皿とまさかの連続出演記録をたたき出している銀ちゃんは暇なんだろうか…そんなはずないんだが、このベテラン俳優様はなぜこうも毎回太一くんのとこでじじいとかばばぁとか変態とかの役をやっているのか。それでいいのか銀ちゃん。いいんですよね、ありがとう(笑)今回も元気に変態じじいを好演していた。もかちゃん共々7公演お疲れ様でしたw小春にセクハラするシーンは、個人的には「そんな目で見ないでくれ。私も仕事でやっているんだ」「大丈夫だ、事務所の許可はとってある」「初舞台でも心配ない、このベテランにまかせておきなさい」が好きだったかなw彦兵衛のツッコミは前楽の翔央の「この変態ベテランじじい!」が一押しですw
あと前楽の除霊シーンで播磨が山岸にすり寄る形で眠りについたときがあって、足元にこてんと転がった播磨様の背中にそっと手を添える光景が、完全に庭先のおじいちゃんとゴールデンレトリバーで可愛かったです。わんわん。

•翔央(トメ/彦兵衛)
トメ1、彦兵衛2だったけど、彦兵衛の方が好きだったなー。播磨登場シーンの群舞でM字フォーメーションのトップで踊るのが彦兵衛なので、そこが翔央の方が華が合ってよかった。っていうかほんとダンス綺麗で見入ってしまった。Jrのトップユニットで単独サマリーまでやった人というのは、でかいステージで踊るとこんなに華やかなんだなあ。アイドルって凄い。あと権力にくっついて調子いいこと言ってる下っ端の役がめっちゃ似合うので彦兵衛が好きってのもあるw

相変わらずおっぱい星人扱いだったけどw、人のアドリブやハプニングを細かく拾ってつなげてくる手腕といい、何かと巻き起こしてくれる間違いのなさといい今回も凄かった。7公演で河童の舞2回(アンコ含むw)とポイズン2回やってるってどういう比率の高さww前楽のポイズンで「2階席ー!」ってドルばりに煽りながら通路に飛び降りて、走り抜ける途中で視界から消えた翔央のこと忘れないと思う…。あとカテコでめっちゃ綺麗にターンしてたのが目に焼き付いてる。ファンベビもCatch meもありがとね。次も友貴と一緒だからまたシンメで踊ってほしい。

•創くん(彦兵衛/トメ)
創くんも下っ端役超似合うから彦兵衛もよかったんだけど、この人がトメ役やった時の終盤の哀しさが翔央とけた違いだったので断然トメ派(あと魚屋の衣装が似合すぎる)。トメのいい人っぷりと、その「いい人」が生んだ残酷なラストがほんとにつらくてな。トメは何も悪くなくて、最初からお菊ちゃんのことも庇ってた優しい人で、だからこそ播磨が許せなくて自分の手で消してしまったのだけどね。創さんVer.の方が体が大きい分、刺された後播磨が思いっきり抗えるのもよかったのかもしれない。翔央だと太一くんに吹っ飛ばされそうでその部分弱くなるから。前楽の播磨が3回見た中で一番激しく抵抗して最後の最後までお菊に向かって手を伸ばしてて、それを抑え込むトメとのもみあいが見てて辛かったんだよなー。

•もかちゃん(小春)
初めましての子だなーと思ったら初舞台だったらしい、座組最年少現役女子高生。超可愛かったし上手だったし、この子は今後いろんなところでお目にかかりそうだなー。1年もしたら売れっ子になってそう。ぶりぶりかわいこぶってる時と、ダークサイドに豹変した時の温度差がよかったです。こういうしたたかな可愛い女、いる(笑)小春がいなかったらお菊は殺されなかったかもしれないし、小春がいなかったらお宝を山岸たちがくすねたのもあんな形ではばれなかったかもしれないし、凄い重要だったなぁ小春。予習した慎吾版では小春がいなくてお梶が物語動かす役回りだった気がするんだけど(うろ覚え)、小春っていうマスコットが入ったことでより現代的により人間くさくなってるのかもなぁ。お局女中よりいい子ぶったロリ悪女の方がリアリティあるw

•奈々さん(お米)
女中ーズの一番でっかいの。さすがの安定感でございました。大和三銃士の時の、オレンジの着物でばりばり踊ってるのもかっこよかったけど、おしゃべりお局女中もなかなかのハマり役だった。上総之介たちにボコられるシーンでは時々反撃に出るんだけど、21日ソワレでは翔央彦兵衛に思いっきり技かけててさすがあの兄弟産んだ人……って思ったw迫力あったわww伊勢福とのリアル夫婦ネタも面白かった。あと女中役だから播磨登場シーンもカテコのダンスも全部参加してるので、ヘドバンする奈々さんとか見れて楽しかった。踊る3児の母・孫あり、かっこいいなー。

•ぐみちゃん(お梶)
女中ーズの一番ちっちゃいの。大衆だとなかなか大きな役回ってこないから、がっつりお芝居してるの初めて見たんだけど、さすが声がよく通る。市井の人々が噂話を触れ回るシーンや、暴虐シーンで発狂寸前で「おきくちゃん!おきくちゃん!」って叫んでるところ、ぐみちゃんの声がすぱーんと響いてて気持ち良かった。

•しょうたろうくん(瓦版屋)
たしか瓦版屋って原作になくて、しょーたろーくんが直談判で出演決定した時点で新しく生まれた役だったと記憶してるんだけど、この瓦版屋がものすごくわかりやすく直球の「噂話」の怖さを象徴する役になってた。ちょっとわかりやすすぎた気もするけど。瓦版屋が集めた情報が混ざり合って勝手な解釈で生まれ変わって、次の人に話を聞くときにその情報を与えちゃうから余計に話が混線して、「お菊ちゃん」の人物像が生まれ変わっていく。「白ゆき姫殺人事件」におけるツイッターの役割がまんま瓦版屋。江戸時代だもんね。正義面した悪はタチが悪い。最後、播磨に暴行された後、「書けよ!なんとでも好きなように書けよ!」に対して「あぁ書くよ!覚えてろよ!!」って言い捨ててくのエグかったなぁ(笑)そういえば最初のお米お梶が証言するとき、お米は「こーんな大きな子でね」、お梶は「こーんな小さな子でね」って、自分のコンプレックス?を人の悪口に投影させてたのもよかったな。

•僚くん(捨)
まさかの、ここに僚くん!!せむしで片腕、おしの謎の男・捨。最初はずっとクールな仕事人だったのに、じゃんけんに巻き込まれてからは若干キャラブレしてましたねwせむしの姿勢で全身じゃんけんお疲れ様でした。あんなにイケメンなのにまったく迷いなく河童の舞をやれるあたり、さすが!と感心。身体めっちゃ綺麗だった、河童だけどw
しかし最後正体現してからの捨、超かっこよかったー!!><僚くん好きは大興奮でした。21日は髪ハーフアップで、22日は降ろしてた。ハーフアップの方が好きだけど、降ろしてて緩いパーマの前髪が顔にかかるのも素敵><前楽では播磨との一騎打ちで小刀落としちゃって素手で戦ってたのが残念だったけど、太一と僚くんの殺陣は見ものだったわー。悪そうないけめんなのに、カテコになると誰よりも笑顔できゅんきゅん踊ってるのもたまらん。笑うと可愛い。

•座長(伊勢福)
みんな大好き座長、面白すぎてキリがないので感想割愛w22日にいきなりアフロヅラかぶって現れたのがあまりにも卑怯だったw。

•祐也くん
毎日毎公演祐也くんが素晴らしくて1公演ごとに祐也くんのこと好きになる。除霊のシーンで上手にゲストのフォローに回れるところとか、カテコでわいわいしてるときも一歩引いたところで全体を見てるのとか好きだなぁ。何かあった時に真っ先に動くのはいつだって祐也くんだ。新感線の時もアンサンブルの中でかなり大きな役割にいた印象だったけど。幽霊役が可愛くてキャラクターが似合ってて好きだった。あんな幽霊ならお部屋に出てほしいわ(笑)お芝居も上手だし。

•なおちゃん&拓也くん
なおちゃんはもっと台詞あってもよかったのでは……。でもカテコのダンスが軽やかで可愛らしくて好きだったー。拓也くんは相変わらずの拓也君って感じだったけどw、憑りつかれた播磨が駆け抜けるシーンの中の人が拓也だとツイッターで知って以来、駆け抜けるあのドスドス感を思い出しては笑ってしまう。なんか妙にでかいと思ったら拓也だったんだもんなぁwwあと鉄の下っ端たちの呼び方がみんな苗字なのに、拓也だけ拓也って呼ばれてたのが地味に面白かった。

•新原さん、福山くん、丸山くん
最後までどっちが福山でどっちが丸山か覚えられなかったんですが、祐也と一緒に幽霊やってたのはどっちなんだろう(笑)カテコで盛り上げ隊やってる時に、一緒に煽ったり細々お仕事したりしてたのが印象的だったな。
新原さんはずっと残念な役回りで素敵に残念でしたw良い声してた。新原が井戸開けるとき毎回「チェストーーー!!!!」って叫ぶので毎回翔さんが脳裏をかすめて鬱陶しかったですw


これで全員かな?誰か抜けてたらどうしようw