風の果て

恋をしただけ それだけのことを

AZUMI幕末編 9/12マチソワ@新国立劇場

初見雑感。
とは言ったものの、何からかけばいいのか。すべてが!良すぎて!!(笑)


つか作品でも太一ありきでもない、本当にお外向けに作られたおかむら作品って初めて見たんだけど、ちょーー面白かった。下ネタとか内輪ネタとか少ないから余計に綺麗にまとまってるように感じたのかもしれないけど、なんだろう、凄いバランスがいい。難しいこと何にもなくて、頭使わずにただ身を任せてればよくて、そのくせめっちゃ刺さる。まんまと泣いたw
あの「敢えて」感バリバリのキャスティングが、全員が全員そこに割り当てられた意味を体現しまくっているから、説得力が凄い。加えてアンサンブルまでイケメン揃いというミーハー心をくすぐる男性陣な~。浅香がちょっと群を抜いた美しさでびびるレベルだし、それ以外も平均値が高い。女子も可愛いし、いつものベテラン勢はもう私最初からときめいてるし(笑)

原作巻いて巻いて1時間半はかっ飛ばすから、ロビーで原作ファンらしき人たちからの不満の声はちらほら聞こえてきたけど、正直あれを3時間2幕構成で見るのなんか違う気がしたし、あの爆速演出で2時間がちょうどいい。休憩で現実に戻る時間いらない。気が付いたらラストの30分に突入していて、アトラクションみたいな楽しさにきゃっきゃしてるうちにドシリアスパートに巻き込まれるこの感覚がさ~~~最高~~~。エンタメ食って生きてる妖怪にはこういうのたまらん。
あと私基本的に人類愛と世界平和とエコが絡むと何事もつまらなくなると思ってるんだけどw、なんかこれはすっと入ってきたのが不思議だったな。なんか騙されてんのかな…wそこらへんも含めて面白かったなー。しいていうならいつものRUPらしいwお遊びが極力カットされてるのが、つまらんなーと思っていたら、ソワレで3公演目にしてじわじわぶっこみ始めたので来週が本当に楽しみですw西郷さん犬連れてきたとき笑い死ぬかと思ったww



以下、感想…とも言えないつれづれ。長い。

川栄の殺陣が本当に速くてびびった。小さくてリーチも短い分、人より速く動かなくてはならないのだけど、ちょこまかと飛び回る動きに野暮ったさが一切ないし、周りより大きく見える刀を振り回す様もかっこいい。台詞もそうとう早口なのに聞きやすいいの。余り抑揚のない、流れるような台詞回しに細やかな表情の変化がついていて。そういう細かさって後ろからは見えないはずなのに、後列で見ても全然伝わるのは、自分の身体そのものをまるっと商品にできるアイドル育ちの妙かもしれない。ゆっくんとの殺陣が、昼より夜の方が速く感じたので、後半に向けて期待しかない。

あずみと壮太、もっと「にっくき敵!」みたいな関係なのかと思ったら♪俺とおまえこれでライバッルッ!な関係性で凄くよかった。一応成人してるけど子供にしか見えない川栄と、ギリ等身大で少年を演じられるゆっくんで、最後の最後子ども同士の斬りあいになるのがね。「その力を己のために使うな。世のために使え」と教えられ、命じられるがままに斬ってきたあずみと、守るために刀を取って強くなり、守るべきものを失ってなお自分が生きるためには斬り続けるしかない壮太。…に、川栄とゆっくんあててるのほんとにずるい(笑)こんな…こんなド直球で乗せてきます!?って心のどっかでちょっと笑いそうになったけど、それでも律儀に泣いたわ。
マチネでは「お前は苦しくなかったか。つらくはなかったか。俺はずっと苦しかった」と問いかけるあずみに、「刀を持つのが当たり前で、人を斬るのが当たり前で、だからつらいとか苦しいとかおいらにはわかんねぇんだ。だってしょうがねーだろ、そういう風に育っちまったんだから」って返す壮太の声がもう潤んでて、じゃあなんであんたは泣いてるんだよって思ったら切なくて仕方なかった。昼は結構早い段階から涙声だったなー。ゆっくんの泣きのお芝居好き。ソワレはラストだけ髪ほどいてきたのが最高だった。ハーフアップ厨だからあの髪型最高なんだけど(ちょっと落ちてくるサイドの前髪がすげー色っぽい)、全部降ろして顔が隠れるのもこれはこれでいい。一粒で両方味わえるし両方美味しい。壮太の感情表現も昼夜で違ったし、初日は初日で違ったみたいだから、しばらくはいろいろ試してみる感じかな。個人的には夜が好きだった。


もうちょっと壮太の話。
ずっと金のためだけに斬ってきた壮太があずみと出会って「こんなに楽しかったの初めてだ」って笑うところと、あずみとの2戦目を三井に邪魔されたときに「お前がいなくてもオイラあずみに勝てたぞ!オイラあずみと勝負がしたかったんだ!」って吠えるところの、壮太が自分の意思で動き始める流れが好き。あずみでいえば、彼女が夢を持つようになるところに当たるのかな。あと笑う壮太の切なさがすげぇ。心底楽しそうに笑ってんのになんでこんな切ないの。

浅香。かっこいい。とにかくかっこいい。顔がすげぇ綺麗で色っぽくて182㎝あるから舞台映えもして、完全に新国立中の女を抱いていた。いや知ってたけどね、浅香がかっこいいの知ってたけどね。それにしたって竜馬さんまじでかっこいいんすよ…。登場シーンでマイク持って0番取ったときの華が凄くてね…。殺陣もダンスもずば抜けて上手いわけじゃないんだけど、なんか場がちゃんと成立するカリスマ性の高さは坂本竜馬というキャラにハマるのかもしれない。あと最後の見せ場の長台詞がめちゃくちゃ泣かせてくる。単純に上手い。

秀くん。91年生まれってまだ24じゃねぇか…もっと上に見えたわ。映像で活躍してるイメージだったので舞台だとどんなもんかと思いきや、えらい芸達者だった。ナレ担当だから台詞多いんだけど、超聞きやすいの。あずみと駿介もある意味シンメだから、ここの対比も好き。あずみ駿介は表と裏のシンメで、あずみ壮太はお互いを映す鏡だな。幼馴染役のくぼひでさんとの二人のシーンは割とどれも好き。

あずさ。志乃姉さんが美しくて毅然としていてとても素敵だったんですが、そのあとのお駒ちゃんが超コメディエンヌで最高だったwwあずさーさすがだよあずさーーww勇者ヨシヒコのDVDリリイベ行ったくらいにはヨシヒコ大好きなのでw、ここでこんな形で生のあずさちゃんのお芝居を見れてよかった。

細貝くん…はいると安心するよね。安定感。三井様自体いいキャラなんだけど、そこまで悪役でもないしラスボスとは…?と思っていたら、色んな意味で超重要ポジションだった。三井様というキャラがというより、三井様にいろいろ乗っけられていた。こわい。
あと川栄いじりのとこはマチネはしょぼいし滑ってたけど、ソワレでの「九九の七の段を言ってみろ!言えなかったらおっぱい見せろー!」はよかった。キレが出てまいりましたわね三井様!(そして「しちいちがしち、しちにじゅうしち…(終了」ってなる川栄の裏切らなさ)(ところで三井様は七の段言えるんですか)

町田さんは欣也が最高!超小物のしょっぱい悪役。子分4人ついてて5人でへっぽこ悪役集団やっててちょーー可愛い。ハーフアップにした髪に赤い部分エクステ何本か差し色に使ってるのも可愛い。突然のミュージカルシーンでは、子分後ろに4人並べて千手観音からのソロでロックダンス。あれただ浅香に歌わせて町田に踊らせたいだけのシーンだったけど、シンメ位置で踊る川栄も超可愛かったし、アンサンブルも踊ってて絵的に楽しい。悪役だけど憎めないワルだったなぁ。口だけ威勢良くてなんの力もなくて、志乃の態度に気圧されるのを隠すように吠える可哀相で愛おしい人。近藤勇の方は普通にかっこいい悪役だった。そしてちったい近藤さんが高身長の若い隊士たちを仕切る図が可愛い。

佐藤のほうのゆーきさん。半蔵がかっこよかったー!
半蔵のとこの子どもたちは、9歳女児を演じてた子が影のMVPってくらいよかった。やたら泣けるんだ。パンフ見たら、「座組最年少」って書いてあってまさかの99年生まれだった。びっくり。あとガチ子役の大雅くんも、結構出ずっぱりで凄かった~。台詞は少ないけどちゃんと役割がたくさんあって。アンサンブル全体に凄い若いんだけど、ちらほら可愛い子がいて気になったわ(笑)

あとはなちゃん役の子…藤本さんかな?めっっっちゃ可愛いエロ枠だった。おまえだけ園子温の映画から出てきたんかっていうドピンクの変形ミニ着物着てぷりんぷりんしてるはなちゃん超可愛かった。
そしてなおちゃん。群を抜いて綺麗なのに、唯一ハッキリ喋る台詞が\ふりーせっくす!!/なのが(笑)あれ、くだらなくてすごい好きw

いつものみなさんだと、杉山さんが4役?もっとか?であちこちで活躍していらっしゃった。最初の斉昭が凄くよくて(あずみちゃんの「おじい様は斉昭さまですか?」も可愛い)好きなんだけど、愉快なのは断然ハリスだな。須藤さんは西郷どんが見たまんますぎてずるい。ソワレで犬のぬいぐるみ紐で繋いで引きずってきたときは本気で笑ったwwwwそして突然の犬にびっくりして台詞トチるあずみちゃん(笑)
そして岩倉役・吉田さん。吉田さんが出てくると空気が変わる。ラストの大政奉還のあたりの語りも重さがあって、本当に素敵。吉田さんがいないAZUMIが想像できないんだけど、元はどういうシーンだったんだあそこ。


…これでメインだいたい書いた?ほんとはちゃんとした感想書きたかったけど、とりあえず初見の思い出として残しておく。
次は19日(予定)。感想は書けたら。