風の果て

恋をしただけ それだけのことを

続・悲伝の話

初日ライビュ直後に書きなぐったものはこちら
choco-ice.hatenablog.com


悲伝、こねくり回し甲斐があるから、各方面からぞくぞく長文があがってきて楽しいですね。おたくの長い考察文めっちゃ好き…(だから月髑髏が好きだったw)。ってことで、この1週間こねこねしたり、あの後現地明治座にも乗り込んだお友達とやり取りしたりした話を改めて。つっても1回しか見てないから、そもそも見落としもあるし、忘れてる部分も多いんですけど。

そもそも初演を観た時点では「三日月がいつかいなくなること」「おそらく三日月が二周目(以降)」であることしかほのめかされてなかったから、私の中では「何らかの事情で本丸が解決し、三日月以外が全員二振り目(もしくは三日月も折れたが彼だけが前回の記憶を引き継いでいた)」っていう予想だったんですね。会話の中に出てきた、まんばの過去の失敗が原因で、諸々が上手くいかずに壊滅した本丸の記憶を三日月だけが持っている、っていう。

まぁだいたい合ってたんだけど、そんな単純に人生二周目!って話じゃなかった。こんな多重ループ構造をきっちりまとめてくるすえみつさん、さすがやで…。すえみつさんってクドカンくらい「それ必要!?」っていう細かい設定を全部提示してくることが多いと思ってるんだけど。虚伝の紅白戦でチーム分けがご丁寧に映像で出るのとか、出陣の儀で各キャラの基本情報を毎回全部言わせるのとか、今回だと戦いが激化していく中で、4部隊の構成と出陣先全部教えてくれるのとか(笑)。そういう細かい情報投げつけながら、重箱の隅みたいな伏線回収していったりするので、そりゃおたく好きだわこういうの…考察材料がめっちゃ多い。元々時間軸トリック系もタイムリープも好きだからなんぼでもこねれる。
あと改めて初演と再演の左右反転ループ凄かったよね。舞台作品でしかできない作り。


  • 本丸円環構造

おそらく基本の流れは毎回同じ。まんばが初期刀の本丸(序伝)に三日月宗近が顕現し、虚伝からの流れを辿って、結いの目である三日月が見つかったことで本丸が襲撃され、光忠に刀を向けられ、最後はまんばと対峙するも折られないまま刀解される。三日月のループを止めるにはまんばが三日月を折るしかなくて、三日月は何度も何度もまんばに出会い、自分を折れるくらい強くなるよう、そして自分がいなくなった後も本丸が強くあれるよう、みんなを導いていく。(っていうのをまんば極実装を控えたこのタイミングで出してくるので、刀剣乱舞のメディアミクス戦略は凄い)

もしかしたら初期はもっと早い段階で本丸襲撃されていたのが、まんばが強くなったり、それに伴って刀剣男士が増えたり、修行に行く子が出てきたりして、三日月がみんなといれる時間は長くなっているかもしれない。けど、どうであれどこかで結いの目であることはバレるし、必ず本丸に時間遡行軍はやってくる(あれだけカノンの主張が激しいから本丸襲撃はマストイベントなんだろう)。

そして徐々に、歪みによるイレギュラーが発生していく。関ヶ原ループに閉じ込められたり、ぶつかるはずのない2つの時間軸の刀剣男士が出会ってしまったり、鵺が生まれたり。この辺も実際何回ループしてて、どれが今回の悲伝の本丸で初めて発生したイレギュラーなのかはわかんないんだよね。もしかしたら関ケ原ループが発生した後も、大倶利伽羅が黒甲冑に取り込まれて闇落ちエンドする回とかあったかもしれないし。如伝だって、歪みによる時間軸の混線が生まれ始めたことを知った三日月が、途中から「顕現直後にばみにお守りを渡す」っていうイベントを追加したのかもしれないし。まんばが、小夜が修行に行く決断をするところまで引き上げてやれる近侍じゃなかったら、あそこでかっこよく小夜ちゃんが助けに来てくれる展開もなかったかもしれないし。
次回(って千穐楽なんだけど!)は鵺にもうちょっと集中しようと思ってるので、この辺の「三日月にとって初めての事象はどこか」っていうのは、三日月観察班にお任せする。

友達から、冒頭で義輝が三日月に「おまえがおれの不如帰か」って言ってると聞いて、あーーー確かに言ってたーー!!と。そこ忘れてた。基本的に、三日月と鵺は鏡合わせの対になる存在なわけで。天下五剣で最も美しい刀である三日月と、名もなき刀の集合体である鵺。義輝を死地の旅路へいざなう不如帰と、義輝様をお守りする時鳥。三日月とまんばが月と太陽の背中合わせシンメとして最初に提示されていて、最後の最後に三日月の反転の存在が出てくるのずるいわ。だから三日月を時空の歪みの中に連れ込むのは鵺だし、結いの目から解放してあげられるのはまんばなんだよなー。

脱線するけど、あの鵺誕生シーンで刺さった刀を見るたび、NU版TRUMPのキービジュで4本の剣として表されていた亡霊ちゃんたちを思い出すので、すえみつ作品における亡霊メイクは「生み出してはいけなかったもの」なのかもしれない、などと。幽悲伝のひるこちゃんも、ビジュアル似てたし。

  • 日本史走馬灯

これステアラでやったら超面白かっただろうな!(笑)ステでやった部分は映像流して、それ以外の部分はミュで扱った時代を織り込んでるのが面白かった。私がとうらぶ関連で観たものって刀ステ(恕伝と外伝見てない)、刀ミュ、花丸、活撃なんだけど、互いに別世界戦のエピソード混ぜこんできてるので、ほんと刀剣乱舞のメディアミクス戦略は凄い(2回目)。
で、新撰組からの新政府で終わるのかと思ったら、最後第二次世界大戦まで行ったので、次オリンピック出てきたらどうしようかと(ジャニワ脳)
時をかけるまんば、王道!!って感じの演出で好きだった。こういうの最後に欲しいよね、ループものは。

鶴丸が好きです。元々伊達組が好きっていうのもあるけど、本来のキャラクター以上に刀ステの鶴丸が好き。食えないクソジジイで、めっちゃくちゃメンタル強くて(なんせ黒甲冑の中で自我を保てるw)、そのくせちゃんと揺らぐから、なんて切ない鶴丸なんだろうとずっと思っていた。黒鶴事件だって、ただ伽羅ちゃん庇ったわけじゃなく自分なら勝てるから身代わりになってるので、決して自己犠牲の人ではないし、凄い冷静なんだけど。迷ってないわけでも傷ついてないわけでもないんだよなぁ、というのがちゃんと見える描かれ方してるのが良い。

知っているのか、気づける勘の良さがあったのか、とにかくみんなの一歩二歩先が見えている刀だから、三日月の違和感にだってループ構造にだって、誰より早い段階から薄々気づいていたんだろう。それって凄いしんどいなぁと思いながら、義伝序盤の手合わせ場での三日月とのやり取り見てたんだよね。三日月がいなくなったら、この鶴丸は誰に寄りかかるんだろうか、とか(あのシーンめっちゃ好き)。
…と思っていたら、明らかにみんなとは違う立ち位置に小烏丸が現れて、超便利キャラとして尽力してくださってるんですけど(笑)。でも結局、鶴丸は一人で悲しい驚きも飲みこんでみせるんだろうなぁ。切ないなぁ。

そもそも義伝の時点で、そこは光忠がもうちょっと頑張れよ!?と思っていたらw、みっちゃんは最終章で突然火を噴いたので、あれはあれでびびったが。意外と超重要ポジションだった。よかった、飯炊き当番で終わらなくてw
三日月と鵺がヤバすぎてちょっと黒甲冑くんは脇に置いてしまいがちなんだけど、ここへきてまたあいつと対峙しなきゃならない伊達組ほんと気の毒すぎる…。(あと鵺がここへて光忠消失に触れてきたのもなかなかエグい展開だった)

  • OPとEDの話

円環構造こねるの楽しすぎて、言及するの忘れがちなOPとED。今回OPがめっちゃくちゃかっこよくて気に入っている。梅棒の振付好きなんだよねぇ。いいなーあんステも振付変わんないかなー(あんステの振付とずっと喧嘩してる)
あとEDの勝鬨の歌フルバージョンで、鵺が「時鳥」って書かれた番傘持ってるのが、よかったねぇって気持ちになって好き。

  • 今後の話

前述したように、まんばはもうすぐ極が実装される。このタイミングで、修行に出て写しコンプレックスを乗り越えたまんばちゃんが帰ってくる。「まんばが強くなる」ことの意味をもうおたくはみんな知ってしまったのに。凄くない?例えば最後の三日月の顕現先が映画版の刀剣乱舞で、そこでまんばが修行に出たらどうする?映画館で全員頭を抱えるしかなくない?w映画に繋がるか舞台の次回作に繋がるかわからないけど、もう1回このメンツで舞台やるとも思えないから、映画かなぁって。(もしくは千穐楽のサプライズ追加シーンで、まんばが最後修行に出るとこだけ上演されるとかw)
ついでに言うともう一振りの主役である清光もこのタイミングで阿津樫山をもう1回やるので、ほんと刀剣乱舞のメディアミクスは(略

余談。三日月がいないあの本丸の、ほのぼの日常系短篇みたいなの作ってくれないかなと思っていて。宴のくだりみたいな刀ステの能天気な部分だけ詰め込んで、散々ほっこりさせられたあと、ラスト5分でまんばが鍛刀部屋の前に行く→「4:00:00」の表示ドーン!→三日月ボイスで「刀剣乱舞、はじめよう」(暗転)、みたいな。そういう怖い話がほしいです、すえみつさん(笑)

  • さらに余談

すずきひろき先生が、何度も何度も何度も同じ時間をやり直すタイムリープもので、刀ステの500倍力技であり得ないはずのハッピーエンドにたどり着く、「三人どころじゃない吉三」が面白いので未見の人はDVDを是非(定期的に宣伝する)
http://www.shachu.com/kichisa/
まじで力技すぎて笑ったんだけど、力技脚本をさらに力でねじ伏せて圧勝するすずきひろきのラストシーンが最高なんですよ…という宣伝で〆(笑)