風の果て

恋をしただけ それだけのことを

HAMLET ―ハムレット― 10/5ソワレ@東京グローブ座

セクゾン担のお友達に、朱雀との交換という超変化球で連れて行ってもらいました。おたくの輪、ありがてぇ(拝)。

ハムレット、戯曲読むのも自宅でがっつり舞台を鑑賞するのもハードルが高いけど、少し前にWOWOWで放送されたおかだま版を流し見したのと、先週のGOZEN千秋楽配信を流し見したのの記憶をぼんやりつなぎ合わせたらだいたい全体の流れが予習できていたので、ハムレット大量生産年で良かったです。来月は矢田ハムレットですね。超楽しみ。

森さん作品は去年見た銀杯がすごく好きだったのですが(The Silver Tassie 銀杯 11/10マチネ@世田谷パブリックシアター - 風の果て)、森さんでシェイクスピアで章平さんにしゅーとくんに味方に名だたるベテラン勢…という中に、風磨!?え?風磨????と、そりゃ聞いたこっちも中山優馬と間違えたんじゃねーかなと思うわ!!という衝撃の発表だったハムレット(そのあとたくまの名前も五度見くらいした)。

あのねぇ、予想以上によかった。4時間飽きないかって言われたら多少飽きるけど(長いもんは長いw)、そんなにつらくない。グローブ座のまともな椅子で見れるし、たぶんテンポがいいんだよね。そしてふーまちんが思った以上にちゃんとしていた。そりゃ周りに比べたらぴよぴよですけど、そのぴよぴよの愛らしさがうまいこと活かされているキュートなハムレットでよかったなぁ。アイドルは本当にどんな場所でもいい意味でハッタリが効くというか、与えられた役割で及第点をたたき出すための技を持ってる。


セットも衣装も総じてシンプルな中で、奇をてらわず変な味付けなしに出された上品な料理、という感じ。衣装も白と黒が基本だし、セットも回る盆の上に黒いごくごくシンプルなテーブルや椅子だけなのがほとんど。たまに上からシャンデリア降りてきたり映像映し出したりはしてたけど、板の上は素舞台に近い。ついでに、回転舞台なので2階席から見るとバミリが複雑に散りばめられているのも面白かった。
その中で、劇中劇シーンでいきなり人形劇になるのが超好きでした。先述した銀杯の二場が本当に好きだったので…。人形劇にした意図まではわからないけど、あれは国王と母親のリアクションを見るための茶番なので、そういう意味での滑稽さと、敢えて作り出された虚構(=裏を返せば真実)を描く上で、人のようで人でない人形の視覚効果ってあるのかもなぁ、とか考えた。

ずっと白い衣装の面々の中に黒スーツのハムレットだったのが、ハムレットが帰国するオフィーリアの葬儀からは逆転して、喪服の人たちの中に真っ白なハムレットになるのが良かった。立場が、感情が、形勢が、あそこを境に逆転し始める。ホレイショーだけずっと衣装が変わらないのは、親友兼のちの語り部という特殊ポジションだからかなぁ。(あとその中で明らかに異質なロズギルの赤と黄はなんだろう。本人たちの自我が描かれない、ただの駒という意味ではピエロ的な?)
ふーま、スタイル良いので、シンプルなオシャレスーツもシンプルなオシャレコートも大変よく似合っていた。舞台上で数多の若手俳優見てきたけど、ふーまぶっちぎりでスタイルがいい。おジャニーズは骨格のバランスが全然違う。あとポージングというか、見え切りが1個1個的確に決まるんですよね!アイドルだから!演技力とか経験値とか関係ないんですよね、あれ。

あとポローニアスの人がすっごい上手くて、ベラベラ喋り倒してる間ずっと面白かったし、4時間でもあまり飽きない理由の半分くらいはあのテンポの良さのおかげかもしれない。もうちょい長めに生きててほしかった(無理)。


ふーまの話。
さっきも書いたけどほんと身体が綺麗。ジャニーズは骨格が綺麗。あと顔は赤ちゃんだけど声が綺麗なので、あの声でシェイクスピアのセリフを発してくれるのはなかなかのご褒美だなと思いました。キチガイとしてご登場の一発目で、花冠被って現れたのはずるかった。可愛い。
ド頭はまぁ頑張ってるな、くらいの印象だったけど、ノッてきた一幕後半くらいからは何の違和感も感じなくなったので、森さんが凄いのか菊池が凄いのかわからんけど、いいお仕事に出会えてよかったねぇの気持ち(もはや前世の記憶並に遠い話ですが、私は過去一瞬だけセクゾン担だったことがあります。デビューから2年くらいw)。


しゅーとくんは「選ばれし人間の親友役」が日本一似合う。知ってたけど似合う。喉がやや死にかけていて愛おしみがわいた…しゅーとくん、上手いんだけどだいたい途中で喉死んでるイメージがある(笑)
たくまと味方は本役としての出番が少ない分バイトしまくっていて、特にたくまはいろんな姿が観れてお得感あった。でっかいから出てくるとすぐ見つけられて良い(笑)ラスト付近で突然インテリ眼鏡たくまを投入されるのがなかなかいい気付け薬でした。いくら面白くても4時間はなげーので、性癖に訴えかけるタイプの刺激は大歓迎です。

フラガールの稽古場と反復横跳び中のみかてぃは、本役としての登場までほぼ声を封じられてて(私の席だとモブ役者の暑苦しい笑い声とシャッ!みたいな気合い入れしか拾えなかった)。それはちょっと寂しいんだけど、だからこそ三幕で突然ラスボスみたいなのが現れるのが印象的で良かったなー。
みかてぃの配役がフォーティンブラスだった時点で予想できた流れだったんですが、完全にラストシーンだけグローブ座が俺たちの紀伊國屋になっていた。あそこで白鳥の湖流れないのが逆に不自然くらいの勢い。しかもホレイショーがしゅーとくんだから、ラストで味方としゅーとくんの殴りあいになるんですよね。ちょーー楽しかった。ハァハァしながら観ちゃったわ。推しより見てる味方の慣れ親しんだ安心感…w


しかし1個だけ文句言うなら、あのラストシーンからスタオベに入るまでの時間短すぎない?もうちょっと余韻くれよ。一瞬でアイドル舞台の宗教み溢れる感じに転じたの、さすがに耳キーンってなるわw切り替えが早すぎるw
揉めるくらいなら「ここでせーので立つ!」って決めたほうがいいとは思ってるんだけど(ステアラの髑髏城とかもそうだったし)、暗転した場内で落ち着いて座ったまま拍手が続く時間、もうちょっとほしかったな。いや、終演22時半な時点で、そりや向こうも即帰れ!今すぐ帰れ!だろうし、こっちも秒で帰路に着きたいところではあるので、その中で何が何でもスタオベタイムをねじ込もうと思ったらああなるのも理解できなくはないんだけど…w(でも月髑髏4時間でもソワレのカテコ3回やれてたので、やっぱ18時開演にしてほしかったな。終演22時がギリでしょ)

でも面白かったです。見にいけてよかった。ストプレのふーまちん意外といけるということが判明したので、ここからいいご縁が繋がって、こう…ニョロ~ンとしたのに捕まらずに舞台のお仕事続いたらいいねぇと思ったのでした。


最後にこれはただの宣伝ですが、ハムレットにご出演の末原拓馬さんが主宰を務める劇団「おぼんろ」が大変オススメなので、たくまが気になったジャニオタの皆様は来年の新作公演(詳細未発表だけどw)などぷらっと見にいっていただければなぁと思います。演劇動画配信サービス「観劇三昧」にて月額950円で過去作品もご覧いただけるので、軽い気持ちで覗いてみてほしい。全然軽くない作品の方が多いけどw、美術がすーーーごい綺麗だしお話もいいので。
v2.kan-geki.com


あとネット上にもいろんな動画転がっているので、個人的にめっちゃ好きな「しょっぱいうみ」の動画貼っておきますね。子ども超可愛くて泣いちゃう。
www.youtube.com

以上、雑な宣伝とハムレット感想でした。

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