風の果て

恋をしただけ それだけのことを

朗読劇『Equal-イコール-』

どこかで一度見ておきたかった作品。まさかこんな大盤振る舞いなメンツで見れるとは。
配信と現地観劇で4パターン見ました。
「すえみつ、一生この話してんな…」と思いましたが面白かったです。完全にまっさらな状態で観たらもっと難解なのかもしれないけど、ずっとすえみつ作品のサビなので、そういう意味で馴染みやすい物語だった(笑)

最初発表されたときに、DDDでこのメンツなんて誰が取れんねん!!!と思ったけど、全然普通の取れたし平日は後からでも買える組み合わせも多くて、世の中の人間はまだそんなに劇場に復帰してないんだな…と実感した。こんな簡単に80しかない座席を買える生活に慣らされたら、おたくとしての戦闘力が衰えて今後チケット戦争で戦えなくなってしまうんじゃないかと不安になるわ。


  • 9/29ソワレ Bチーム木戸×前山(生配信)

月曜日:前山二コラ/木戸テオ 最後のセリフは前ちゃん。
過去のEqualを見たことがなかったので、予習用として見た。さすがに初回をどう考えても異端のチーム(D)で迎えるわけにいかないだろうと思いw、なるべくシンプルに演じてくれそうという理由でBからスタート。選択として正解だった気がする。

見た中では一番「双子」の印象に近かった2人。最後のセリフも割と綺麗に揃う形で、ナイフ持った二人がもみ合ってるうちにどっちがどっちかわからなくなっていくような、混ざりあっていくような印象。
前ちゃんは後半戦で前ちゃんの真骨頂みたいな芝居するから(笑)、あの中性的な声で自嘲気味に笑うように終わるのが狂気に一歩踏み込んだ瞬間みたいに感じたかな。その直前まではギリ正気側にいたというか。話の展開が分かった上でもう一公演見たかった(アーカイブは見返しそびれた)

  • 10/2ソワレ Dチーム鈴木×三津谷(観劇)

月曜日:三津谷二コラ/鈴木テオ 最後のセリフは勝大。
どう考えても事件性が高い組み合わせだし、実際問題児回だった。まず三津谷さんの衣装が白のリボンタイだった時点で一瞬意識が飛びそうになったんですけど、なんだあの他意がありすぎる衣装は。他意っていうか悪意だろ、絶対わざとだろwwwあの三津谷にあのセリフ喋らせるの、それだけで一種のイベントなんだわw

金曜日時点で三津谷二コラが顎を伝わって落ちる涙が見えるレベルでぼろっぼろ泣いていたのが怖すぎた(金曜日ってつまり「テオ・ホーエンハイム」を名乗るあのタイミングですよ…)。いや序盤からまあまあおかしかったんですけど(三津谷テオ、「ぴえん」とか言うしw)、この辺からいよいよ本領発揮し始めて、どんどんアクセル全開になっていく中、勝大がまっっったく引っ張られなかったのがよかった。終始噛み合ってないのでEqualとして正解なのかわからないけど、この二人がやるEqualとしては正解の形だった気がする。
勝大は久しぶりに見たので、なんだかすっかり大人の男になっててびっくりいました。ガタイこんなデカかったっけ?パーカーのフード被って膝抱えてた比留の面影ないな…男の子の成長凄い。テオがわかりやすく陽キャの男子!!だったのは想定内として、ニコラですっとトーンダウンして昏い感じになるの好みでしたね。

ラストは勝大がぎりぎり聞こえるくらいの低いのトーンで絞り出すように言っていて、禁忌を犯して向こう側に行ってしまったネジの飛んだ片割れ(三津谷の芝居が基本的にネジ飛んでるので…)に取り残された絶望みたいに感じたかな。勝大テオがああいうことをしそうに見えないので余計に。ああいうことをしそうに見えないのにしてる、という意味ではよりヤバいのかもしれないけど、途中からちょっと、テオの理性(勝大)と本能(三津谷)に乖離してるイメージに近かったかなぁ。
Bと真逆のタイプの人たちで面白かった。暗転後のセリフも全く揃えずぐちゃっとしたまま終わったし。

  • 10/6ソワレ Eチーム碓井×納谷(観劇)

月曜日:納谷二コラ/碓井テオ 最後のセリフは納谷くん。
大本命チーム。文句なし上手かったし好みのチームだった。しかも超良席だったので、ド至近距離でまじまじと拝んできた。ありがてぇ。
見終わって第一声は「理性のあるEqualだ!!」だった。どちらも理性的できっちり決めて作られた感じのある親切設計。それでもちゃんと熱量があるので物足りなさを感じることもない。むしろ大満足。二人ともシンプルに上手いし、元々好みの人たちなのもあってとても楽しかった。あと、割とどっちも死ななそうだったのがちょっと面白かったな。特に納谷二コラw

納谷くん相手だったというのもあるけど、やたら芝居の上手い若手という印象だった碓井くんがすっかりお兄さんになっててときめいた。パワータイプの納谷くんが全力タックルしても余裕で受け止めてくれるお兄さんだったな…好き……。碓井二コラがとても好きでした。淡々と静かな中に、徐々に「何かがおかしい」って言動が滲む感じが。
シンプルなシャツを選ぶ人が多い中で、身ごろもに切り返しのついたおしゃれシャツ着てたのも素敵だったなぁ。胸元が広めに空いてるから、カテコでお辞儀した時に中に仕込んであるマイク?がチラ見えててえっちだった(笑)

ラストはちょっとずらして輪唱みたいに台詞を言う形。感覚的に、この日が一番すんなり「納谷くんの方が本物だったんだな」って感じたかも。すんなりそう思えるあたりも、やっぱり親切設計。

  • 10/10ソワレ Fチーム染谷×細貝(生配信)

月曜日:細貝二コラ/染谷テオ 最後のセリフは染様。
開始三秒で「えっちだな」って思った(酷い感想)。落ち着いた大人の色っぽいEqual。そして圧倒的に芝居が上手い。この二人は絶対に高いクオリティが約束されてるから、現地観劇でなくてもいいなって思って配信にしたんですよね。家で見てても飽きないだろうって。

本当にお芝居が上手い人って見せ場・山場じゃない「普通の会話」が一番上手いと思ってるんだけど、このペアはマリエッタの話題できゃっきゃしてるような日常の会話がとても自然でさすがでございました。そしてどっちも最後まで落ち着いてるので、正気の大人と正気の大人が会話してるのが逆に怖い。「狂気」を表現するときに、「狂ってます」という芝居をする必要がないんだよね。しなくても伝わるので。
暗転後、綺麗にシンクロして終わったのがゾクっとした。どっちが本物とかじゃないし、どっちも本物だったのかもしれない。会話してる時はさほど同一性を感じなかったのに、あの瞬間突然「同じもの」になったのが怖かった。

しかしまーー染様は綺麗だねぇ。こんなに美しくてこんなにお芝居が上手くて、こんなに中身の様子がおかしいってすごいですよね。神様が才能のバランスとろうとした結果なのかな…(笑)何度も見てる役者さんなのに、見るたび上手くてびっくりする。



以上、4チーム分の感想でした。今回は各チーム1回ずつしか見れなかったけど、同じチームを3回観たらまた違った見方が出来たんだろうな。
ちょっと後悔してるのはAを見なかったことかな。一番若い子たちのEqual、劇場で見たら楽しかっただろうな。っていうか、脳のキャパが足りるなら全部見たかったし、ここにいない組み合わせでも夢が広がるので、こういう作品は本当に中毒性が高い。
若手のAから始まって、信頼と実績の中堅若手俳優たちが繋いで、後半でF、Gのお兄さんたちが出てきて、ラストが目玉商品の荒牧×北村って流れも面白かったなぁ。H、どっちも繭期を通ってなくてかつ過去Equalにも出ていない唯一のチームだったので、そういう意味で興味あったな。君僕構文を通っていない人たちのEqual。


なつのお題箱