風の果て

恋をしただけ それだけのことを

少年社中「アマテラス」 2/5マチネ、2/11ソワレ@紀伊國屋ホール

2017年初紀伊國屋ホール。今年もいっぱいお世話になります。来週末にはもう熱海が始まるんだと思うとドキドキしますね。

で、社中。私ね、もともと日本神話もギリシャ神話もSFも大好きなんですよ。ついでに90年代なかよし育ちなので強くて美しい戦うヒロインも大好きんですよ。
全部乗せだった。好きな要素しかなかった。社中見るの4作目なんですが、ぶっちぎりで話が面白かったわ。面白すぎておかわりしちゃったしパンフも買ってしまった。大満足。壮大なSFだったわ。最後、ちょっとヒュッってなる怖さが差し込まれてるのも良い。

初見はド頭の高崎翔太が美しすぎてあわあわしたり、キャスパレで登場したアテナが予想以上にぶっとんだビジュアルで思考が停止したりでところどころ記憶が飛んだのでw、2回目の昨日はそこを拾うつもりで観たのですが、オチまで知ってる方がより面白く感じたかなー。正体知ってる状態で各々の台詞聞いた方が楽しかった。ただ、ものすごい雑に一言でまとめると「イザナギがクラウス」で済む。何処の世界線にもやらかしちゃうやつがいるのだなぁw



ツクヨミの舞から神々の群舞に繋がるOP、その中心に飛び出してくるアマテラスの圧倒的な華、プロローグを終えヤマトタケルの登場とともに流れ出す女性ボーカル曲(めっちゃサントラ欲しい)に乗せたキャストパレード。この冒頭の流れだけでもうチケ代の元は取れるので、残りの1時間45分くらいはいわゆる実質タダというやつです。……っていうくらいオープニングがよかった。

私、翔太くんって松ステとハンサムとトキイベのDVDでしか見たことがなかったので、上手いのも綺麗なのも知ってたけど、実際にそれをこんなに直球で使ってるのを初めて見て。あまりにも美しすぎて、最初あれが翔太くんであると確信するまでにちょっと時間を要した。あの人所作がめちゃくちゃ綺麗なんですね!びっくりしたわ!いや、そういえばルカ様も仕草がいちいち綺麗だったけど、あれはちょっとそこ以外に突っ込みどころがありすぎてそれどころじゃなかったw
その儀式の部分だけでもテンションあがるのに、そのあと改めてキャスパレがあるんだから贅沢だわー。ギリシャ勢はここで登場したあと、本登場まで1時間近くあるので、「マジかよ…え、マジかよ……」というインパクトだけをそのあとずっと引きずる羽目になるのがずるい。ちょっと芝居に集中する妨げになる勢いのインパクトだった、アテナ様wすごいなぁ…プロ女優…。アテナ、本番ビジュアルが黒髪パーマのロングヘアで、銀の大きな髪飾りがついているのが可愛かったー。肩出しで太ももも思いっきり見える衣装なのに、違和感ないのが怖い。


動物チームのとびっきりの可愛さとか、スサノオと四天王の憎めなさとか、サルタヒコの出来ジュっぷりとか書きたいことは山ほどあるけど、全部書いてると論文が仕上がってしまう(笑)特に書き残しておきたいのは、亀太郎の日替わりシーンの強さwと、ツクヨミ軍のキャラの神がかりっぷりですかね。しょーへいへいは見るの2作目だけど、器用な子だなぁという印象。結構歳の離れたメンツの中で引けを取らないし、あの日替わり毎回一人でやってんのかと思うと面白すぎる。ツクヨミ軍…というかアマテラスのご一族は、シスコンの美青年(弟)を筆頭に、マザコンのやくざもん(末弟)、インテリ眼鏡(孫)と男性陣のキャラクターがよりどりみどりだった。さすが神の集団だけある。
あとギリシャ勢は出オチレベルのビジュアルインパクトな上に、芝居も濃いのでなんかもう夢に出そうだった。高笑いしながら剣振り回すアテナ様怖い。そして美しい。コントのくだりで、「壁」がやたらツボにハマるっていうしょーもない設定ついてたの好きだったな。そして何をしていても完璧に女なので、やっぱり怖い。あの高音で周りより声量あるってどういうことだ。


山場以降の話。
すべてを知り高天原に戻ってきたタケルを迎え入れるアマテラスの、「私とタケルの晴れ舞台!」がかっこよくて毎回ぴゃーーーっとなっていた(語彙…)。あそこ、全員集合して戦闘シーンになるのがほんっとにテンション上がる。新感線見てるみたいな気持ちになる。各キャラ個性生かしての殺陣やアクションも素敵だし、アマテラス自身にも殺陣があるのがとてもいい。小柄で愛らしい見た目のまりっぺさんが舞台の真ん中を跳びまわっているのがとてもかっこいいんだ。
そんなアマテラスから、ツクヨミがスッと剣を奪い取ってからラストまでの流れ。あれだけ動き回りながら長台詞を喋り続けるタケルに慄く。最初にした文通と同じ内容を交わしあう二人。ジェノサイドモードに切り替わったアマテラスは、表情も声もそれまでと全く違うものになっているのだけど、喋ってる間にどんどん元のアマテラスに戻っていくのも好きだったなぁ。で、このシーン、ずっとタケルとツクヨミが死闘を繰り広げてるんだけど、ツクヨミの存在が全然気にかけられてないのよね。結構な時間戦ってるのに。結構な傷を負いながら戦ってるのに、舞台はひたすらアマテラスとタケルのお手紙のやりとりで進んでいく。斬られて、姉上の元まで行って手を伸ばしかけて力尽きるツクヨミ様がちょーー美しいんだけど、当の姉上はそのツクヨミの手から剣を抜きタケルに切りかかっていくし、アマテラスが斬られた後動物たちが気を遣って離れていっても、ツクヨミ様いかんせん死んでるからそのまま転がったまんまだしで、もうツクヨミが終始不憫で不憫で萌えたり切なくなったり忙しかったです。最初にタケルがオオクニヌシにやられたときも「姉上の悲しむ顔を観なくて済む」って呟いてたし、最初からイザナギのゲームの趣旨を知ってしまっている中で、スサノオたちに裏切られようが何しようがずっとブレずに筋金入りのシスコンを貫くツクヨミ様、本当にいじらしくてかわいかった。超いい子で美味しいキャラだよなぁ…。原作…もとい日本神話の設定がそもそもおいしいもんねw


繭期を越えたおたくなので、永遠の命がほしいとか言われるとちょっと草生えちゃうんですけど、勾玉に祈ることで「永遠の命」そのものが他者にスライドさせられる設定は目から鱗だった。永遠の孤独の中で生きてた人が死を迎える瞬間が描かれていた。なんて救いのある話なんだろう(笑)すえみつさんだと、絶対そんな設定くれないんだろうなぁ(笑)
ラストシーン、冒頭のシーンがそのまま繰り返されるあれは、ループなのかなぁ。永遠の命を得たタケルと、再び絶滅寸前までいってしまった愚かな人間たちによって繰り返された、神と人間が戦うゲーム。それとも、アマテラスとタケルが何度でも夢の中で恋をして、出逢うまでのラブファンタジーのループなんだろうか。あの高揚感のあるOPと同じものを最後にもう1回見せてもらえるので、すごくお得感のあるラストだった。気持ちいいー!

たーのしかったなぁ。よく出来ていた、というとだいぶ上から目線の感想になってしまうのだけど、そんな感じ。こういうSF大好き。
あ、5日のカテコで、しょーたくんが斜め後ろの太郎さんにちょっと重なるように立って、やめろよってされて笑ってたのが可愛かった。散々クールでかっこいいツクヨミやっておいて、最後にいつも通り笑ってるの、それはずるい(笑)