風の果て

恋をしただけ それだけのことを

初級革命講座 飛龍伝 7/24-7/25@紀伊國屋ホール

「初級革命講座 飛龍伝」感想、こちらの続きです。
choco-ice.hatenablog.com


波乱の2日目wと、真打ち登場の最終日。
暑い、熱い3日間だった。銀ちゃんが逝くから続いたこの7月のお祭り騒ぎ、本当に楽しかった。
どうでも話ですが、この記事を書くために自分のツイログを確認したところ、ちょうどこの日TLにも「夏」が到来してた模様(笑)






  • 2日目(7/24)

「初級革命講座、毎日通って観るものではない。」
そんな気づきを得た初日を経て、どうにか翌日も紀伊國屋ホールへ。
補足しておくと、この3日間は全てマチネ公演で、そもそも壊滅的に朝が弱い我々(私を含む紀伊國屋つか作品いつメンたち)が3日続けて昼から劇場にいるというのは、それだけでも難易度がはちゃめちゃに高い。RUPのマチネが14時開演で本当に良かった。12時だったら脱落してた。

話を本題に戻します。
とにかく初級は観客側も相当なエネルギーを使う。しっかり睡眠と食事を摂って挑まないと、舞台上からの圧に負けてグロッキー状態になるか、脳がパンクして途中で意識が飛ぶ。そして、2日目にして新たに気が付いた。

「初級革命講座、毎日演るものではない。」


ほんとにな!!!!!
正直、「高橋龍輝だったから」どうにかなるだろうと思って観てられたけど、そうじゃなかったら普通にストップが入るレベルだったよあれ!!w
それを「いい経験したぁー」で片づけるりゅきさんもだいぶ面白いんだけどさ……w


事が起きたの、もうどのシーンだったかはっきり覚えていないのだけど、後半戦、山崎が己の境遇を語りながら熊田にハッパをかけまくるあたりだったと思う。
りゅきさんが酸欠と脱水で動けなくなった。
舞台上手側に四つん這いに這いつくばったまま、立ち上がるどころか顔を上げるのもままならない状態で、それでも、途切れがちながら台詞だけは止まらなかった。
人間、あそこまで朦朧としていてもこの長台詞をミスなく喋り続けられるのだな……ということと、つか作品が役者の肉体が限界を超えても口が勝手に動くレベルまで台詞をたたき込んでいるというのはマジなんだな、ということに変な感心を覚えながら、固唾を飲んで見守った。
それでも芝居は止まらない。下手側に座って芝居を続ける創くんも、明らかに様子のおかしいりゅきを見つめながら、淡々と台詞を喋り続けていた。
舞台上と客席の緊張感もなかなかだったけれど、きっと舞台袖には比じゃない緊張が走っていたと思う。

その時、上手袖からミネラルウォーターのペットボトルが、そ……っと投げ込まれた。
コロン、コロン、とゆっっっくり舞台上に転がってきたそれは、瀕死のりゅきさんから微妙~~に遠い位置で静かに停止した。

…………いや、そっとしすぎなのよ!!届く位置に投げてやれ!!!!wwwwwwww

緊迫した場内で静かに転がるペットボトル、正直面白すぎたし、それがだいぶ手前で止まってしまうあのふんわり感、袖から投げたの智則さんなんじゃなかろうか…と思っていたらアフトクで本当に智則さんによるものだったと判明したので、キュートすぎて好きが増してしまった。きゅんです。

結局瀕死のりゅきさんはどうにか自分でペットボトルにたどり着き、一口二口飲んだだけで立ち上がり、そこから徐々に本来の動きに戻って行った。数シーン後にはもう、いつも通りだった。驚きの回復力。

……ということがあったので2日目はもうこの話に記憶を全部持っていかれてしまって他何も覚えてないんだけどww、とにかくすげぇ公演を見ちゃったなということと、高橋龍輝の躍動する肉体の強さは並じゃねぇなということを思い知った日だった。

終演後はおたくとひとしきり盛り上がりながらカレーを食べて帰った。
創くん、熊田役お疲れさまでした。
さぁ、俺らもお前らも頑張ろうラスト1日(疲弊)。

  • 3日目(7/25)

終わったーーーーー完走だーーーーーーーー!!!!!!

ようやっと見れた智則さんの熊田の話もしたいのですが、先にしょーもないことから書いておくと、前日のあれを踏まえて給水タイムが設けられていた(笑)
前日りゅきさんが倒れかけたシーンの手前くらいで、元々隣人役で出ていた大石くん(白タンクトップ姿)に加え、新キャラとしてその嫁(黒髪おかっぱ+黒ミニスカの創くん)がペットボトルを手に乱入してくるという、小さな地獄が追加となった。2日間熊田役を立派にやり切ったところ本当に申し訳ないのだけど、創くんはどこか既視感のあるミニスカゴシックおじさんの姿で現れたこの時が、3日間で一番輝いていた。多分。
二人とわぁわぁ言い合いながら水を貰って飲む余裕のある智則さんと対照的に、りゅきさんがぜっっっったいにミニスカゴシックおじさんを視界に入れないようにしながら、役に入り込んだ状態をキープしていたのがとても印象的だった。床の一点を見つめたまま、真横をうろうろしている珍種の存在をシカトし続けるりゅきさん……w

……というのを書いた上で、本筋の感想。
智則さんが喋り出した瞬間、あまりにも耳障りのいい高音質の声が飛び出してきたので、紀伊國屋の音響が突然グレードアップしたのかと思った。そもそもこの作品にセリフが聞き取れない人なんて一人も出てなくて、全員ものすごく聞きやすいはずなのに、その前提においてなお、めちゃくちゃ聞きやすい。びっくりした。こんなに違うのかと。
たった1回になってしまった本番だけど、まるで昨日も一昨日もずっとそこで演じていたかのように、当たり前に智則さんの熊田はそこにいた。7年の月日を越えて、ちゃんと、そこにいた。

最終日のりゅきさんは、凄くのびのびしていた。
それまでも、パワー系でありながら時折酷く繊細な芝居を組み込んでくるりゅきさんの良さは十分発揮されてると思っていたけれど、智則さんという絶対神を得てりゅき自身が担う部分が減ったせいか、とても伸びやかで生き生きとした山崎だったなぁと思う。
とにかく楽しそうだった。初級を、山崎を演じるのが楽しくて仕方ないって、溢れてる感じだった。

ありさちゃんも初日から良かったけど、誇張抜きに日々どんどん良くなってて最終日は智則さんINの効果もあってか更にもう一段いい女になっていた。最後タキシード着て出てくるとちゅるんとした可愛い女の子なのに、アイ子がキレてる時の顔がめちゃくちゃ良いんだよなw
あおこの日はりゅきさんが途中休憩を挟んだ結果、残っていた余力をすべてラストシーンにぶつけて凄いことになっていたんですが、それでも負けずにぼろっぼろ泣きながら喋り続けれられるありさちゃんのパワーに惚れ惚れした。あんな細い身体で、ぜんっぜん負けないの。なんて素敵な女優さんなんだ。


おまけとして最終日のアフトクの話をしておく。この日はなかなかのレアメンバーが揃っており(春田純一さん、平栗あつみさん、MCとして神尾さん)、内容は当然当時の裏話や100回擦られてるつかさんオモロエピソードが中心になるのだろうなと思っていたのですが。
「蒲田の一番肝になるラストシーンで清家さんがトチったことにブチ切れて、終演後に楽屋の鏡を叩き割ったあつみさん」というエピソードが最高すぎて優勝だった。あんなふんわりとしたビジュアルですげぇアグレッシブなエピソードが出てきたwやっぱ大女優小夏を演じる女はそのくらいじゃないといかんよな。(あつみさんがブチ切れていることにぷるぷるしていた若かりし日の清家さんもかなり胸キュンエピ・笑)


長々と綴ってしまいましたが、こうして夢のような「初級革命講座飛龍伝」の3日間は幕を閉じたのでした。
生きてる間にもう一度見れて良かった。あのラストで智則さん降りてきた時、この7年間の自分ーー!おめでとうーーーー!!って気持ちになったもんね(笑)
まさかそこに対峙する山崎がりゅきである日が来るなんて、あの頃はもちろん、この企画が発表される1秒前まで思いもしなかったのだけど。本当に、長くおたくやってると、夢より先の光景が見れてしまうことがある。

これだから、劇場に通うのは辞められない。


なつのお題箱