風の果て

恋をしただけ それだけのことを

蒲田行進曲完結編銀ちゃんが逝く@紀伊國屋ホール

石田明:元々、味方くんとこの作品をやりたいね、蒲田をやらないと俺たちは卒業できないよって話をよくしていたんです。
味方良介×石田明×北野日奈子「全てが見どころの熱い公演」~『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』インタビュー | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス


コロナ禍序盤の混乱の中、力業で公演を成し遂げてから早2年。
2年後の紀伊國屋ホールも、やっぱり神様がいた気がする。

2016年の新幕末純情伝での初共演から6年。卒業詐欺を幾度となく繰り返し(笑)、ついに実現した味方と石田の「ハッピーセット蒲田行進曲。落ち着いてきたように思えていた感染者は公演期間中にあれよあれよと増え続け、それでも今年もきっちり全公演、一人の降板者も一度の中止もなく幕を下ろした。

「スターが歩く、それがテーマ。スターが走る、それがストーリー。」

神も仏も信じてないけど、あらゆる不可能を可能にする、どんな奇跡だって起こせる「スタァさん」のことを私はこの先もずっと信仰して生きていくんだと思う。

蒲田行進曲完結編銀ちゃんが逝く」全公演完走おめでとうございました。
銀ちゃん、かっこいいーーーー!!!!




なぜかポエム調で書き出してしまいましたが、ここからは通常モードでお送りします。

  • 雑感

観劇したのは7/9マチネ、7/10命日公演、7/18千穐楽

前回、初日のド頭の「銀ちゃんが死んだ!」の植田がぴよぴよ若手俳優みたいでずっこけた話は、5年先まで擦り倒すと決めているので今年もまだするんですけど(笑)。2年の時を経て、やっと「正解」を見た。これだよ!俺たちが見たかった「銀ちゃんが死んだ!」は!!wwww

今回の蒲田、本来スタァさん側に立てるはずの石田明が大部屋俳優ヤスを演じているという、大変贅沢なキャスティングなのだけど。石田版ヤスは本当に銀ちゃんのことが好きだった。どうしようもないくらい、ただただ銀ちゃんのことが大好きで、本当に「銀ちゃんかっこいいーー!!これがやりたいんですよ!」と思っているヤスだった。そりゃガソリン被ってゴロゴロ転がったら、ぶわぁーーっと哀愁も出るだろうよ。
対するスタァ味方は今年も圧倒的な「銀ちゃん」を魅せてくれたのだけど、今年は2幕が一段と美しかった。ライト浴びて立ってる姿が本当に美しい。相変わらず千穐楽まで傷一つない喉でまくしたてられる台詞が耳に心地よかった。(千穐楽はかなり面白いものが観れたのだけど、それは後述)

小夏役の北野さん。前回が大女優小百合様だったので、正直全然期待してなくて「邪魔にならなきゃいいや」くらいだったんだけど(ごめん)。思ってたより全然良かったし、最後まで全く喉がダメ―ジを受けず、後方まで綺麗に声が通っていて感心した。声がでかい奴は偉い。
小百合のあのねっとりとした30過ぎの大女優っぷりと比べたら小娘感は否めないのだけど、今回は追加兵器「ええ感じの場面で執拗に流れるプラネタリウム大塚愛)」が投入されており、プラネタリウムときーちゃんさんの小夏の相性が抜群だった。あの花火ドォーーーーン!!の瞬間をちょっと楽しみにしまっていたところある。

続投組の創くんとけーちゃんは安定。
あと朗読劇版から増えた謎の追加シーンとして、ルリ子の病状を説明する(説明できてない)医者役の大石くんが出現したんだけど、これが凄いハマリ役で大好きでした(笑)大石くん、いつも声でかいけど千穐楽は一段と声がデカくて思わず笑ってしまった。元気。
河本はロビーでCDが販売されていたので、記念に1枚買いました。千穐楽終演後、ラス1が売り切れる瞬間を見守れたのも楽しかったです。完売おめでとう。
宝はまぁ楽しそうだった。出たくて出てるんだから当然だけど、宝は本当にいつも楽しそう(笑)OPで大石くんとクロスでアクロバットするのが好きでした。小さくてよく動く。
若山先生役、りゅきさん。元気な大御所俳優。上手いのはいつものことですが、初級の稽古と平行してるとは思えないくらい元気いっぱいで、ちょっと元気がはみ出していた。カテコでタキシード着て踊り出すと毎公演最高にかっこよかった。毎公演恋だった。

  • 命日公演の話

そういえば6年前も7月10日は選挙の当日で、「投票箱」に願いを込める隊士たちの姿が妙にリアルに感じられたものだけど。6年経った今年も、板の上には味方や石田さんや創くんや大石くんがいて、客席には我々いつメンがいて(笑)、あの頃はもう会えないと思っていたりゅきさんが戻ってきていて、新しく宝たちもいて。
ほぼ満席の紀伊國屋ホールが割れんばかりの拍手に包まれる命日公演、凄く素敵だった。十三回忌なんて実の祖父でも参列したことないしなんなら命日も曖昧なのに(それは覚えていてやれ)、会ったこともないおじさんの命日は絶対忘れないし、毎年思いを馳せてしまうのは不思議なものですね。

ゲストは、平栗あつみさん、春田純一さん、神尾祐さん。
「黙祷じゃねぇだろ、拍手だろ!」のくだり、真面目に参加してくれる神尾さん、楽しそうな春田さん、真ん中で小さくなってる(というか物理的に小さいw)みかてぃ、それを横でにこにこ見守っている平栗さん、っていうあの場所の光景まるっと愛おしかったな。
(ついでに言うと、新幕末の坂本先生が3代揃ってるのがちょっと面白かった)

「いい千穐楽だった~!」と手放しで言える公演だった。
後半ずっと、石田さんもみかてぃも若干中身出ちゃってる感じだったけど、ラストの階段落ち前からの味方がまぁ凄かった。あんなに生身の感情がむき出しの銀ちゃん、初めて見た。

味方って千穐楽でいつも以上の圧や熱量を感じることはあっても芝居はぶれないイメージだったんだけど、この日の銀ちゃんは終盤かなり感情が揺れていて、完全無欠のスタァさんから人間の感情が滲み出てくるような、見たことのない銀ちゃんだった。凄い面白いものを見た。階段落ち前の銀ちゃんがあんなに揺れてるのも、落ちたあとずっとゼーハーしてるのも初めて見たし、カテコで中身の味方がだいぶ出てきちゃってるのもレアで可愛かった(笑)隣に寄り添うように立っていた石田さんも含めて100点満点のハッピーセットだったなぁ!!
(そんなハッピーセットの隣で、俺たちの大好きなけーーーーちゃんは隣を見ながらおじぎの頭を上げるタイミングを一生懸命伺っており、大変LOVEであった)


そして!明日からはいよいよ「初級革命講座飛龍伝」
野田彩子先生もこう言っていますし、みんなダブルの予習を兼ねて紀伊國屋ホールで生身の初級革命講座を見よう!!
当日引換券は各種プレイガイドで発売中!!


なつのお題箱