風の果て

恋をしただけ それだけのことを

浪漫活劇譚『艶漢』第二夜 12/17ソワレ@俳優座劇場

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発表されたときからすっっっごい楽しみにしてた艶漢。千穐楽を見てきました。
そもそもこれ、初演の前にまだ舞台版のビジュアル出る前の原作絵のチラシを見て一目ぼれした作品なんですよね。結局初演は見ないままだったのだけど、歌謡倶楽部は見に行って、去年の年末休みに原作大人買いして一気読みした。あまり舞台きっかけで原作に触れることがないので(だいたいいつもよく知らんまま見てるw)私にしては珍しいパターン。

…という流れだったので、今回が初めての原作先行の状態で見る艶漢。凄かった。予想以上だった。
何が凄いって、原作の中のいくつかのエピソードをメインに据えているとはいえ、原作7巻分くらい?の内容を切ったり貼ったりして綺麗に2時間半に納めていたこと。セリフ一つ一つは読んだ覚えのあるものばかりだし、話の流れにも全然違和感ないんだけど、よくよく考えると原作では全然違う話の中に出てきた台詞やシーンが細切れに繫いであるんですよね。どんな脳内構造してたらこういう風に再構築できるんだろう…。
そして安定のビジュアル再現度。メイクも衣装もハイレベルだし、安里ちゃんに至っては本当に覇族なんじゃないかという気がしてきたわ…あんな細い身体であんなに動けるのも凄いし、そもそもあの身体実在してることがすげぇ…。みかしゅん化け物だなぁ(最大級の賛辞)



席はセンターの最後列だったのだけど、俳優座自体そんなに大きくないし、見やすいつくりだったのでストレスなく観れてよかった。後列とはいえそんなに遠くないから、あんまり双眼鏡構えるのも浮くかな…などと悩んでいたら、1ケタ列でも全然がっつり双眼鏡構えてる人がたくさんいて、みなさん貪欲で大変よろしいと思いました。そうですよね、これは双眼鏡使わないと損よね。

元々原作の中でも大好きな春澄と明人のエピソード。キャストに春澄がいたときから超楽しみではあったんだけど、あそこって退化抜きでやるの厳しくない?いや、みかしゅんなら退化できるか?などと思っていたら、本当に退化やってくれたので超興奮しました。年に2度もみかしゅんのロリボイス聞くことになると思わなかったわー(前回はゴッホの姫アリねw)。
全体にしんどい話なので、3次元の生身の人間でやるとよりつらい部分ではあるのだけど、合間合間にぶっこまれる妄想王若林(便利キャラ過ぎた)が大暴れしてくれたおかげで、緩急の付きすぎた感情のジェットコースターを体感できてよかったですw妄想だからさぁ、本編でほぼ絡んでない春澄とこーちゃんで長尺の絡みが見れたりするのずるかったね。何でもありだもんね、妄想だから。
妄想と言えば、本編散々楽しんだあとのトリプルカテコ、こーちゃんの巡査帽被った詩郎が見れたのが最高すぎた。こんなの現実で見れると思わなかったーー!!そして終わってソッコー先生が再現絵描いてくれたのも嬉しかった。次元の逆輸入だ(笑)

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そしてトドメ。

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いや、艶漢すげぇ。最後までチョコたっぷり。(安里ちゃん、歌謡倶楽部では、脱ぐための巡査服ステージ上で着てくれませんかねw)

  • 詩郎

全裸に盆でアキラ100%芸するさくらいけーとが見れるのは艶漢だけ!(そりゃそうだ)
去年見たときよりますます思い切りがよくなっていて、ほんとなんでもやってくれるなぁ、けーとくん(笑)完全に美少女のビジュアルなのに超強くてかっこいい詩郎、小動物みたいなのにちゃんとかっこよさを感じさせてくれるけーとくんにぴったりだなぁと。あと単純にあのみかしゅん安里とタイマン張って負けないのが凄い。全然食われないよね。

湯上先生の元を訪ねる場面での客席降りで、巡査殿が詩郎の頭を撫でるんだけど、全く気にしていない様子で物珍しそうにきょろきょろしている顔がまさに詩郎だった。気を許しきった感じ。そういう自然にベタベタしたシーンがあってからの「もうアテシにかまうな」なので、しんどさも二倍だし、覚醒したときの人形のような目にぞっとした。あの詩郎を生身の動く人間で見れたの興奮しかなかったわ…。吉原兄弟復活の名乗りも粋で素敵だった~。あれは舞台ならではですね。
あと戦闘服になったら足が傷だらけで、「あ、ちゃんと人間だった」と思うなど…あれだけ露出した状態でアクションやったらそうなるよねぇ。カテコでのふにゃっとした笑顔も愛らしかった。

  • 安里

通常モードに加え、黒髪和装の牡丹、退化ボイスとてんこ盛りだった安里ちゃん。これはもう第三夜で金髪ロングやってもらうしかない。キャスパレといい歌声といい非の打ちどころがない上に、終盤の吉原兄弟VS春澄明人のアクションで明人に飛びついたときの動きに重力を感じなくてびびった。みかしゅん割といつ見ても化け物だけど、安里は格別だわ。あと何かと綺麗な男と綺麗な男が共依存しがちなこの作品において、急に六口とのキスシーンが挟まれるの良いなと…。みかしゅんとまりっぺ似合うなぁ。
二幕冒頭の客席降りは、客席がリアルに南部のモブ女と化していた。「全員捌くから順番決めとけ!」と、六口に怒られてからの「ただいまっ!」(凄い勢いで客席に降ってくるw)がマジで安里だった。思わず口元を手で覆って小さく声を上げるというベタな反応をしてしまったくらいには安里だった(笑)
ところで退化したときの台詞、「伸三、この服ちょっと大きいぞ!」までは原作通りだけど、その後ろに「もっとフリフリの可愛いジャストサイズの子供服買ってこい!」が付け足されていたのはどういうことなの。プレボにフリフリの可愛い子ども服突っ込めばいいの…?(真剣)

  • 光路郎

こーちゃん、ずっとしんどいんだよね、この話のあたりって特に。こーちゃんの優しさ明るさ強さはこの作品の希望だけど、こーちゃんがそうであるが故の絶望があるというか。それを生身の人間で見せられると、余計に刺さるものがありますね…。
しかし妄想王のくだりで、ノリノリで迫ってくる春澄に「佐倉さん」連呼で気圧されまくっていたの超面白かったな(この間、ひたすら無垢な目でこーちゃんを見つめ続ける村田春澄)(ハートが強すぎる)

  • 春澄

キャスト発表の時からガッツポーズ状態だった村田君。めっちゃ期待して見に行ったのにさらにその上を行く仕上がりだった。ちょーー可愛い。顔が綺麗なのはもちろんのこと、衣装がめちゃくちゃ可愛い。ウエストの絞りといい裾の広がり具合といい、ジャケット丈とブーツのバランスといい完璧だった。安里よりがっつりヒールのあるブーツ履いてるのに並ぶと明人より小さくて、りょーすけさんそんな大きい印象ないんだけど…?と調べたら村田君164㎝だった。童顔でもないし素顔はシュッとした男顔だから、そんなに小さいイメージなかった。っていうかすっぴんめっちゃ男子!!って感じなのに、なんであんなにお姫様感のある春澄になるんだ。拷問シーンのあとブラウスだけ着た状態のとき、フリル着るために生まれてきたんじゃないかと思ったくらい似合ってたわ(そしてこのブラウスも可愛いんだわー)。
他もメンバーに比べるとアクション少なめだけど、あのブーツで動けるのは凄いなと。妄想王のくだりのせいもあって、原作よりもきゅるんとした可愛さが強い印象だったけど、その分最後の落差が際立っていた。「大嫌いな君だけだ」の声の記憶を脳に焼き付けたい。

  • 明人

なんか舞台版の明人、オカンみ溢れてて時々ちょっと面白かったんだけど、こんな過保護でした…?って思わず原作読み返したら、拷問のあと春澄の手当てしてあげるシーンは実在したけどブラウスのボタン止めてあげたりはしてませんでしたwなんだったんだろうあれ。おたくの二次創作の具現化みたいな…ww
とかツッコミどころもありつつ、まっすぐ春澄を想い、あっけなくお亡くなりになる不憫オブ不憫な明人を舞台で見れてよかったです。明人が殺されるシーン、もちろん明人もかわいそうなんだけど、あんな生き方しかできない春澄の今後を思って辛くなるんですよね。春澄、幸せになってほしいんだけどなぁ。
あと松吉もりょーすけさんが演じてたんですが、声や芝居じゃなく、アドリブのセンスでこれりょーすけさんだろwwwwってお察しできるくらいかっ飛ばしてて超面白かった。光路郎が笑っちゃって先に勧めなくなりそうになっていたw



女性陣は、蓮見子&菖蒲子が可愛かったー!菖蒲子メイクしても全然ブスにならないまりっぺ
あがさ嬢は北部の女兵士も演じていたのだけど、昨年のありがちベリーが大好きだった私としては、みかしゅんとあがさ嬢の絡みをここで見れたのが嬉しかったな。あと六口の試験官がお胸元から出入りしていて、あれはどういう収納構造なのだろうというのがずっと気になっていた。
若林は今回のMVP。本筋と全然関係ないところで暴れまわって大活躍していらっしゃった。場を回すのがめっちゃ上手い。


できることならこのままの勢いで大阪に飛びたいくらいなんですが(「1日早い誰かのメリークリスマス」って本当に艶漢のサブタイトルにありそうで良い)、私の今週末はきたむー高崎きたむーきたむーとなる予定です。我ながら誰のおたくなのか首をかしげるむーさん率の高さ。