風の果て

恋をしただけ それだけのことを

【覚書】いのうえ歌舞伎 蒼の乱@東急シアターオーブ4/16ソワレ

二度目の観劇は、偶然にもゲキシネ収録日。入った瞬間、想像以上のカメラの数にぎょっとした思い出。あれ凄かった。収録日独特の緊張感を感じる、当たり回だった。すっごくよかった。
(2014.07.20)



すっっっごいよくなってたー!びっくりした。初日と全然違う。演目全体も冗長だった部分がカットされてテンポ良く進むようになってるし、盛り上げどころのメリハリもついてて、初日の消化不良感が嘘みたいだった(笑)相変わらず小次郎はイライラしたけどw

初日気づけなかったところとしては、まず僚くん祐也くんをあっさり見つけられるようになった結果、比較的戦闘要員が多い僚くんに対し、祐也くんが馬としての出番が異常に多いということを発見w(ちなみにあいりたんは踊り子さんしてることが多い)最後なんてじゅんさん除いたら馬4頭しかいないのに、その中にがっつりいたからね!これはもう馬としての才能が開花したとしか。馬に惚れそう。
あと兄弟殺陣、1回とらわれる前の一番ハードな部分って舞台上に2人きりになるんだけど。斜面と段差のある回転舞台を動かした状態で殺陣やってるんだよね。夜叉丸VS八幡の場面もまわってたかもしれないけど、あっちは基本的に回転舞台の上を使って戦っていて。でも兄弟殺陣は動いてる舞台に乗ったり降りたり足かけたり、二人の呼吸だけじゃなく動く舞台装置とも合わないといけない型になってるの。すごかった。で、将門がやってきて将門VS夜叉丸に切り替わるタイミングで、回転とまって、太一も下に降りるんだよね。だからパッと見は松ケンも同じように殺陣やってるように見えてすげーっ!ってなるんだけど、よくよく見ると兄弟殺陣は足場が圧倒的に難易度高い。


以下、初日との変更点中心に。太一、前回はなんだか抑え目で、「ああん、もどかしい><」って思った部分がだいぶナチュラルになってた。伸び伸びとやんちゃでお茶目な夜叉丸演じてて、見てて楽しかった。これこれ、これが私の好きな早乙女太一

【1幕】
•夜叉丸登場シーン
高橋秀樹は健在w登場時の口上も、戦ったあとの「あぶなかったなー!」って蒼真たちに話しかけるとこも、実にイキイキとしててエネルギーありあまった元気な夜叉丸さんで、盛大ににやけながら見てしまった。はぁぁぁ可愛い!かっこいい!この時点で「今日勝ったわ!」って思ったね。太一が好調な日は必然的にゆっくんも頑張るだろうから、この瞬間からもう太刀影登場が楽しみでたまんなかった。
やんちゃモードの夜叉丸さん(主に対蒼真)は声も高めだから少年みたいで可愛い。「あーぶなかったなぁー!」が少年漫画っぽいのも好き(笑)将門とのアドリブ会話追加してたのここだったかな?将門がだいぶフレンドリーに話しかけるようになってきてるw「黒魔鬼って知ってる?」って聞かれて「しらない(ばっさり)」って即答する夜叉丸様。

•@造船場
全体にテンション高めの夜叉丸様。自分がメインじゃないシーンでも細かく芝居してて楽しい。飲んでる酒がきっついやつ(という設定)なのか、毎回「くぅ~><」って顔してるの萌えるwwしかし夜叉はほんと蒼真にばっかり突っかかるねぇ。太一自身の癖なんだろうけど、相手挑発するときに首かしげることが多いのでいちいち可愛い。夜叉丸はよく喋るから楽しいなぁ。あとここは海賊の女の子たちにキャーキャーされてるのも良い。夜叉丸さん爆モテ。

•@造船場
木馬で遊ぶ純友に、氷の視線で淡々と「それはたのちいのかー?」
いきなりどうしたw

•VS太刀影
すげー速くなってた…。元々ここの殺陣超速いんだけど、初日以上だった。太刀影、ジャンプ綺麗だったなぁ。ああいう動きすると太一にそっくりだ。あと友貴は小柄だけど雄くさいから、荒っぽく戦ったときにその小ささのハンデを感じないのがいいなと思った。太一くんの方が身長も肩幅もあるのに、あの人はどうも動きの繊細さ美しさばかり印象に残ってしまうから。

•おっじゃまかにゃ~?
これ聴けてよかったー!太一くんまだ飽きてなかったー!(笑)収録日なのでどうなるかと思ってた、そのあとの「ほっほーい。城にいたときとは顔つきが違うぞぉ~?(クレしんボイス)」もそのままでした。会場すごい笑いが起きてたけど、あれ太一が真顔でやるから余計に面白いんだよねたぶんw太一の舞台が入口だった人にはなじみ深い今回のキャラだけど、新感線の太一の役柄しか知らない人には新鮮だろうな。あんな笑ったりふざけたりする役やってなかったもんねぇ。

•常世王ご対面のシーン
やっぱ蝦夷の刺繍入ったお洋服可愛いーvv将門に「馬の話はそろそろ…」って切り出すところ、「はぁぁぁぁぁぁ!?」がほんとやかましくて好きw夜叉丸可愛いwあと馬と鹿のくだりで、「おい鹿差別すんな」ってぼそっと突っ込んでたのワロタw



【2幕】
•純友合流シーン
ここの蒼真VS夜叉丸が最高だったww超男勝りなでドスの効いた蒼真と、基本蒼真に対しては全力おちょくり体制の夜叉丸さんによる小学校の掃除の時間のような言い争いがたまらん。可愛い。いいコンビだなあ。天海さんと息ぴったり。最終的に蒼真に気おされて、「あ゙ぁぁぁわかったよ!!!!!」ってなる負け犬男子な夜叉丸さん。はー可愛い。
天海さんと太一ってどっちもあんまり人間っぽくないし性別不詳な感じあるしで、二人とも現実味がないから並んだときにしっくりくるんだろうな。同じ次元で生きてる人たちな気がする。

•米泥棒のとこ
ここが比較的友貴が殺陣以外で動きのある芝居する場面なんだけど。しつこいようだが兄貴にそっくりすぎる。元々声も見た目も見てる上に、ゆっくんは太一のこと観察して覚えて育ってるから、ちょっとした仕草とか余計に似ちゃうんだろうなぁ。「兄弟げんか」ってこの子らの話?って思ってしまう(笑)あ、将門お食事中に、邦香ちゃんが太刀影の前に立ってちょっかい出してたの可愛かったwもちろん見えてない設定なので、絶対に表情崩さない太刀影さん。

•純友討伐
いのうえせんせー!私が一番好きだった、小舟の上で弓構える太刀影さんどこに隠したんですかぁぁぁぁぁぁ><><><でも、純友VS将門の前に太刀影がものすごい勢いで戦ってる場面あるの今日気が付いた!そこの太刀影さんが思いっきりゆっくんの動きで嬉しかった。

•夜叉丸VS太刀影(と将門)
片面がなだらかな傾斜、反対側が3段くらいの段差になった回転舞台が今回のセット。アンサンブルも誰もいなくなって回転する舞台の上で繰り広げられる兄弟殺陣。速かった。前回は慣れてなくて把握しきれなかったけど、よく見たら回転舞台乗ったり降りたり、回ってくる段差に上手いタイミングで足かけないと成り立たない動きも多くて、これめちゃくちゃ難易度高い。今日は殺陣では双眼鏡使わないって決めてたから(それ以外ではずっと夜叉丸ロックオンしてたw)、立ち回りの動線とか止めるタイミングとか細かく観察してしまった。
将門登場のタイミングで音楽が止まって、みんなが将門に注目したのにまぎれて回転舞台止まるんだよね。うまくできてるー。しかしここから先の太刀影が人間の速さに合わせて明らかにペースダウンするので、やっぱりちょっと違和感w

•夜叉丸VS八幡
「数ではない!志が違うのだ!」綺麗なかっこよさでは、ここが一番かもな。デカい川原さんが長槍操るのは圧巻。そんなダイナミックな八幡の周りを飛び回る夜叉丸。跳んだり、くるっと回ったときに衣装の裾が広がって綺麗。動き一つ一つがきれいだから、衣装まで操られてるかのよう。かっこいいなぁ。かっこいいなぁ太一くん…><

一方そのころ、常世王を必死でかばって死んでいったみずちねーさん…迫力ある死に方だった…。みずちねーさん、かっこよくて好きよ。

•貴様ー!のとこ~VS太刀影
八幡を倒して駆け込んできた夜叉丸の目に飛び込んできたのは、倒れた常世王。毎回パターン違うらしいけど、この日のソワレは「常世王!!………とこようおう…」って、2回目がこどもみたいな無防備でたよりない言い方になってて震えた。からの「きさまぁぁぁぁ!!!!!」がほんとに鬼気迫ってて。身体より感情が、感情より刀が先に動いてるみたいな、怒りも涙も全部斬りかかる刀の上に乗ってた。これ!これが見たかったの!!悲しくて苦しくてかわいそうで、でもまっすぐに強い夜叉丸。
雑魚をたたっきって、太刀影との第2ラウンド。斬られてぼろぼろになってそれでも動きを止めない夜叉丸と、無表情に淡々と任務を遂行する太刀影。捕えられるとこも、もうどうにもならないくらい傷ついてぼろっぼろで、敵方の腕の中に倒れこむみたいにして捕まった夜叉丸が、もう見ててつらい。こういう芝居してる時の太一くんは、心ごと全部持って行かれる。

そのあとの将門と蒼真があーだこーだしてる(…)間も、前回よりちょっと大人しくなってたかなぁ。目だけぎらつかせて将門睨んでるの怖い。で、いざ動き出すチャンス!ってなった時はものすごく冷静に黒魔鬼が助けに来るタイミング見計らってるのよね。さっきまであんなに感情的に剣振ってた人とは別人のよう。

•太刀影ラストバトル
縄切ってもらったはいいが、もうほとんど戦う力なんて残ってなさそうな夜叉丸。それでも戦って戦って、親の形見で太刀影を突き刺して。前回見たときは淡泊すぎたこのシーンが、数段鬼気迫るものになっててびっくりした。20日でこんなに変わるのか。二人の殺陣としての動きはそんなに大きく変わってないと思うのだけど、冗談みたいに颯爽と戦っていたものが、崩れ落ちそうになりながらの必死の攻防に様変わりしていた。
「弾正淑人、貴様の太刀はたった今討ち取った!」も、もう限界みたいな声で。そこから体制立て直しての「たとえ一人になろうとも~」は圧巻だった。早乙女太一、恐るべし。

•首を取り返すとこ
大切なものを失った者同士の蒼真と夜叉丸は、ちょっと兵五と太夫思い出したなぁ。残されて、生きていく者たち。首を取り返して蒼真が啖呵切ってる間、伏し目がちにぎゅっと首の桶を抱きしめてる夜叉丸切なかった。

•そしてラストシーン~カテコ
緑の草原をつくる馬選抜4頭の中にきっちり入る祐也くん素敵。この場面の美しさは変わらず。天海さんのすごさが端的に現わされた良シーン。

カテコは、八幡と四郎の間で0番に立って一礼する太刀影に毎回胸いっぱいになる…(オカン)。太一はほとんど真顔だったけど、2回目のカテコで天海さんが凄く楽しそうな顔で両サイドの松ケンと太一の腕をとったときに、少しふわっと微笑んでいらっしゃった。お美しい…。あと凄かったのが捌け際の天海座長ね!下手のギリギリのとこで立ち止まって、耳に手をあてて煽る煽る。「ふぅ~↑↑」って盛り上がりまくる客席を満足げに見渡して、華麗に一礼して捌け。オーブが全員天海に恋した。


これで私の蒼の乱はおしまい。1年後のゲキシネでまた会いましょう。今日の震えるようなお芝居がスクリーンで見れるのを楽しみにしつつ、残り10日間も大阪もレポ楽しみにしてる。
ゆっくんの大舞台での初日に立ち会えたのほんと嬉しかったなー!次はお台場で!