風の果て

恋をしただけ それだけのことを

両国花錦闘士 12/12ソワレ@明治座

始まる前からいろいろとお祭りだった両国花錦闘士。いざ幕が開いたら明治座が今日本で一番ヤバいシャブが吸える場所と化していた。めっちゃ面白かった。

そもそも明治座×東宝×ヴィレッヂという過剰な強布陣によるお祭り舞台であるこの作品。キャスト発表時点からキャストスタッフに慣れ親しんだ名前がずらっと並び、何よりあの夏を駆け抜けたメタマクd2トリオがいるということで、事が起きる前から日程が合えば観に行こう~などと思っていた(思っているうちに結構な勢いでチケが売れていてびびった)
そしたら例の一件で主役が降板。本番まではあと1か月。キャストの中にはちょうどいい年ごろの男性キャスト。

……いやよしたかじゃん。どう考えても代役よしたかじゃん。1か月あればいけんだろ(ジャニーズJr.に対する厚い信頼)

からの、見事繰り上げ主役で明治座の0番を張ることになった我らがよしたか。見に行かない手はない。主演払い戻し分で得たチケットがばかほど良席で、これを手放した人の気持ちを思うとさすがに胸が痛んだけど、「安心してくれ、私が定価の5倍楽しむ気持ちで座るから。」などとよくわからない決意を固めたりしていた。
結果として、別に決意固めなくてもデフォルトで定価の5倍楽しかったんですけどね。なんなら定価分は外ののぼりの写真撮って開演前にあんみつ食べた時点でもう元取ってたわ。あんみつ美味しかった。


話が逸れた。ここから本編の感想。ネタバレはバンバンする。


先述した通りめっちゃ良席(上手だったのでよしたかの尻ドンピで始まりEDは了くん立ち位置)だったったんだけど、その分全体が見れなかったのはちょっと残念。1回俯瞰でも見たかった。

OPからとにかく歌い踊る。思った以上に歌い踊る。説明台詞も全部歌う(主に櫻子が)。
のっけから大量の力士とバブルファッションのキュートな女性陣、ローラースケートで舞台を走り回る謎のアイドル集団、そしてセンターを務めるはデーモン閣下というジャニワもびっくりの狂気の光景が繰り広げられる。情報量が異常。しかもジャニーズみたいな人達の中にジャニーズは一人もいないし、力士の中にまさしはいない。トラップが多すぎる。

原作は全く知らないんだけど、完全に80年代後半~90年代初頭のファッションと色使いで構成されてるのに、当たり前にスマホiPadが出てくるので最初二度見した。どう見てもバブルファッションの人間がiPadを操る世界(なおスカイツリーが存在するので設定上は現代の模様)。楽曲が80年代90年代のヒット曲をオマージュしたというか、ギリギリまで寄せた感じのポップス祭りなのも超楽しかった。

途中までは「まぁこれが伊藤健太郎予定だったのもわかるな」って思ってたんだけど、橋谷が雪ちゃんが人を惹きつける理由を語り出したあたりから主演がアイドル事務所所属であることが意味を持ってしまって、本来なかったはずのメタが満載になっていったの面白かったなぁ。「見世物だから何にでもなれる」「美しさとは何か」「神様に選ばれること」という話を、芸事を売るんじゃなくて人生そのものを売って生きてる人間が演じてるの、最高に美しくて残酷でエンターテイメントだったわ。ラストの取り組み前からのED、ちょ―――興奮したもんね。

  • 昇龍(よしたか)

もうね~よしたかが普通に主演なのよ。「よしたかが主演やってる!凄い!センター!」みたいな気持ちにならなかった。あのステアラで明けない夜はso longを歌ってた時の感慨深い気持ちとか逆になかった。普通にセンターを担ってたので。それが凄い。
こんなどでかい案件でこんなにひろぉ~~~~い明治座で、当たり前に真ん中にいた。かっこいいぜよしたか。明治座の真ん中の回転ベッドでりょうを抱いたジャニーズJr.、きっと後にも先にもあんただけだよ。今後自信をもって「りょうを抱いた男」ってそのタンクトップから出る二の腕に彫り込んで生きていってほしい。

あと橋谷と藤田がわちゃわちゃしてるのが、櫻子と了くんだと年齢差的にちょっと違和感だったんだけど(ぱっと見職場の先輩後輩って感じなので)、本来原さくのシーンなんだと考えると納得というか、それはそれで見たかったな!wと思ったり。でもそうじゃなくなったからこそ、主演とヒロインの関係で明治座に立つ原さくが見れたわけで。そこに徳ちゃんもいて、あの夏のステアラを駆け抜けた若手トリオのこんな眩しい未来が見れたりするので、やっぱりおたくは辞められないな~などと考えながら見ていた。君たちの未来に幸あれ。

  • 雪之童(佐助くん)

佐助くん超久しぶりに見た。あの肉襦袢をものともせずに動き回ってて凄かった。そして可愛かった。みんな大好き雪ちゃん。
顔が良くて何不自由なく育ってその気になれば大学に行ける偏差値もあった昇龍と、中卒のデブでおたくで相撲しかなかった雪ちゃんの対比も、最近よくアイドルにおけるそういう話を考えてるのでタイムリーでしたね。「選択肢がたくさんある」って豊かさ(才能としても経済的な面でも)の象徴だと思うしそれは素晴らしいことなんだけど。それでもおたくは「ここでしか生きられない」人間の生きざまを追いかけたいわけですよ、どのジャンルにしたって。土俵でも板の上でも東京ドームでも、ここにしかいられない人の眩しさに、ここで生き続けようとするひたむきさに、人は惹かれるのだなぁ。

という前提がある上で、神に選ばれようとする昇龍の強さと美しさもまた良くて、結局どっちもうめぇな!ってむしゃむしゃしながら生きてるわけですよ、エンタメを食って生きてる妖怪たちは…。

  • 橋谷(櫻子)

相変わらず毎秒可愛い俺たちの櫻子。ちっちゃな体ですごいパワフル。圧倒的なパワーを感じる。あと日本一ドン引き顔が上手い。
一幕終盤で櫻子が長々歌ってる、松田聖子チェリーブラッサムにLOVE涙色を混ぜたみたいなアイドル曲超好きでした。もう一回聴きたい。櫻子超可愛い。

  • 桜子(りょう)

名前がややこしい(笑)美しい男に課金して消費して生きてる我々の具現化桜子。倫理ガン無視、私の正義で私の理想の美しい男を青田買いして育てることに全力を注いで生きてる桜子。大変気持ちがいい。「千秋楽まで仕事は全部名古屋でやるわ!」って宣言したの好きだったな…w

  • 了くん

救世主了くん!我らが了くん!昨年の朱雀に引き続き、新感線御用達俳優ではなく生徒会長を目指していた方の了くんに会えて嬉しい。EDで踊ってる時の若手俳優みが超よかった。あと顔が綺麗だった。ぶっちゃけ圧倒的イケメン設定の昇龍より兄の方が断然美形だった。その超美形があんなことやってるので余計に面白くなってたな~。

あと精神が小5男子なのでふくらんじゃったで一生笑ってた。あれを了くんがやってるのもヤバいし元々よしたかにやらせようとしてたのもヤバいでしょwしかもよしたかくらい頑丈そうなガタイならまだしも、あの小柄で生っちろい了くんにあの襦袢着せてるのほんと…見ていいのかこれ…みたいな気分になっちゃって爆笑した。

  • 他色々

・前列だったので岸本くんからめっちゃ目線貰った。
・実は雪ちゃんもめっちゃ目線くれるw
・皇希くんもいっぱい踊ってくれるので大喜びした。群を抜いて上手い。
・最後の旗振りもめっちゃ綺麗な皇希くん
・あと謎に了くんも旗振り上手い。朱雀仕込み?w
・現役Jrたちは現代っ子なのでそんなに旗振れないw
・冒頭から南さんがめっちゃ仕事してる。
・踊る綾小路が好きすぎた。踏んでほしい。
・力士じゃない分いろんな人の姿でいろんな歌を歌ってくれるまさし。歌がうめぇ。
・なぜかここ最近見た中で今が一番痩せてるまさし。
・数年後に「12月の明治座でまさしが閣下の姿で歌ってた」って言ったら違う作品だと思われそう。
・年越しまで明治座で頑張れまさし

総じてよくわからないけど面白かった。景気のいい年末をありがとう両国花錦闘士。
最後まで1公演も欠けることなく終われますように。

なつのお題箱