風の果て

恋をしただけ それだけのことを

フォーティンブラス 8/21ソワレ@シアターコクーン

「とっつーと内くんでフォーティンブラスを題材にした舞台やるよ」と発表になった時は、さほど興味もなかった本作。二人以外のキャストが発表になった瞬間、一気に巻き込まれる形となり、このご時世に無法地帯渋谷駅前を潜り抜けてシアターコクーンまで赴くことになってしまった。完全に野次馬。

fortinbras2021.com

いやだって、こんなの「実家のような安心感!」通り越して実家じゃん。ダイレクトに実家じゃん。演劇で幕開いた瞬間、端から端まで知ってる人すぎて目が足りなくなることあんまりないよ(笑)
調べたら元々は岡村演出だったそうで、要は90年代に量産されていたSMAP×横内×岡村舞台の中のひとつだったらしいですね。それがやしきさんに引き継がれた結果、横内さんとこの子とおかちゃんちの子と柿の大量投入による、猛獣の巣窟みたいなメンツになってしまったと…(笑)。割とまじでとつかさんと納谷さんに同情したもんね、発表された時。なぜこんな濃いメンツが一堂に会してしまったのか。

内容的にはハムレットシェイクスピアがどうのこうのというものではなく、言ってしまえば「劇中劇がハムレット蒲田行進曲」なので、終始「蒲田行進曲だなぁ」と思いながら見ていた。「フォーティンブラス」という作品自体はそんなに面白くもないのでw、同じメンツで普通に蒲田(もしくは派生亜種作品)をやった方が面白かっただろうし、なんならやしきさんが1本書いてくれたらめちゃくちゃ良いものが見れた気がするんだけど、やしきさんも暇じゃないしな…。それにしたって、誰が何故今になって、これもう1回引っ張り出してこようと思ったんだろう(笑)



脚本は多分、過去上演とほぼ一緒。メタ要素と時事ネタ以外はそのままなんじゃないかなという印象だった。同じ台詞を違う人が喋ってるとかはありそう。
しかしそもそもがつか作品ベースなところに柿エッセンスが多めにぶち込まれていたので、サブキャストになればなるほどキャラが強いという強烈な事態になっており大変だった。猛獣しかいない!w気を抜いたら喰われそう!w
あと一口につか作品ベースといっても、一清ルートとおかちゃんルート(扉座組含む)とやしきルート(柿含む)の似て非なる育ちの人たちがごった煮になっているので、何かしらの品評会みたいな面白さあったな…w

「劇中劇がハムレット蒲田行進曲」(たまに「銀幕の果てに」)(ほぼ舞美起因)なので、ストーリーに対する感想はあまりないのだけど、同じ「スタァと大部屋俳優」の話でも今回は終始大部屋俳優寄りの視点で進むので、そこは新鮮だったかも。ヒロイン役を含めまるっと「その他の人たち」で括られる役者たち。その中でたった一人「スタァさん」をやっている内くんがあまりにも超然とそこに「在った」のがよかった。正美(役名)ではなく、内くんの話。彼の周りだけ無風だった。何にも影響を受けない人。

  • とつかさん

役者として見るのは寝取られぶりな気がする。久しぶりに見たら新鮮に顔が良かった。私が見にいったのは三日目くらいだったので喉もまだ元気そうでしたが、その後いかがでしょうか?

一応羽沢が主役なので主役のポジションはやってるんだけど、いかんせん周りが猛獣しかいないので、何回か押し負けそうになっていてめちゃくちゃ応援上演した。特に智則さんと舞美がタイマン張ってたあたりで(笑)
日替わりが縄跳びダンスだったので、「能條さんとトミーと一緒に縄跳びダンスをする戸塚祥太」というよくわからん世界線ものが見れたのが楽しかったです。

  • 内くん

今作の「スタァさん」。「必然性は私」を地でいっていた。
ジャニ舞台以外で見たの多分初めてなんだけど、先述した通り、まっっったく周囲の芝居に流されない強さがよかった。あのシュッとしたビジュアルに強い喉と強靭な体力、そして流されないメンタル。こんなところでこんな抜群のキャスティングが出てくると思わなかった(笑)
ラスト間近、なぜか舞台上での生着替えが発生し、大変綺麗な背中をまじまじと見つめられる謎の時間が流れていた。いい目の保養になりました。

  • 納谷くん

スタァ内博貴を除くと今回唯一と言っていい、紀伊国屋にも中屋敷にも染まっていない納谷くんがあのポジションにいるの凄くよかった。「善良なわかてはいゆーの中の一番強い奴」って感じだった。ほんとどこの現場で見ても出来る子。
実質主役といってもいいくらい話の中心にいる岸川、当然のことながら全ての主要キャストと絡んでおり、マジで大変そうなのでこの仕事のギャラが高めだといいなぁと思った。岸川と恵子の並び、身長同じくらいで可愛かったな…。

余談ですが、今回「納谷健の岡田以蔵(@新幕末)は有りか無しか」を考えながら観ていて。結論として、岡田以蔵をこんなに出来る人がやる必要ないなと思ったので「無し」になったんですけど、「納谷健の北関東血盟団(@広島)」は有りだなと思いました。

  • 美佳子

今回のダークホース美佳子。初日に入っていたいつものオタクたちが、終演後美佳子の話しかしてなくてウケた。いやキャスト見て舞美と能條さんがいたらそこ二人の一騎打ちだと思うじゃん。そこで美佳子があんなに出張ってくると思わないじゃん。シアターコクーンを熱海の浜辺にするなwww
いや~超よかったな。めちゃくちゃ強かった。誰にも負けない腕力があった。やっぱ紀伊國屋(ではない)は声がデカくて腕力があるやつが勝つんだわ。

終演後になんとなく自分が書いた「銀幕の果てに」の感想を読み返していて、ポジション的には美智子に近いのかなぁと思った。正美に目を掛けられた恵子がゴリプでオフィーリアを獲得して、いざ幕が開いたらとんでもないオフィーリアが爆誕してしまう流れ、あると思う。そういうキャラクター。

  • 能條さん

最近何故かよく見る能條さん。来月は西田作品も控えているので楽しみ(笑)ほんとどこ行っても会う(笑)
上手いし可愛いし馬力もあるので、ポンポン喋って場を回すポジションを危なげなく見ていられる。ちょうど能條さんとトミーがその位置を担ってるので、ドタバタがうるさいだけで辛い…みたいなストレスがないのありがたい。
ちなみに日替わりは「出川ガールズになりたい!」だった。

  • トミーさん

いると安心する人。凄い「トミーっぽい」役だったのでほっこりしながら観た。能條さんとセットで出てくることが多いんだけど、なんだかその並びが妙にしっくりきていた。あと実際ハムレット上演した時に本当に墓守の役やってそう。
今回あずみぶりのコクーンだったんだけど、トミーと智則さんのやりとり見ながら何回か「1年半前にもこれみたな…」と思った(笑)

  • 舞美

舞美久しぶり~~。相変わらずぶっちぎりの美しさだった。
「老女優役が何故若い女優なのか」という疑問をよく見かけるけど、単純に今回のキャスティングの選択肢が入った箱の中から玉代を選ぶと舞美になるんだよなぁ。その「今回の選択肢」が入った箱の存在が見える位置にいる客なんてそういないので、誰にも伝わらん話なのだけどw。半径5メートルでキャスティングの8割を決めるなw
何故か智則さんとタイマンを張れていたのがよかった。強い。

  • 智則さん

えっ、なんか智則さん全部乗せみたいな役だったんだけど、いいんですかこんな美味しいものをいただいてしまって。ありがとうございます。
ぺろい芝居をしている智則さんを久しぶりに見たので、変なところで興奮してしまった。好き。

  • アンサンブル勢

ド頭から濱田くんの声がカッスカスでウケた(公演3日目)

ただでさえ端から端まで知ってる人過ぎて目が足りないのに、最初の場面転換でひと段落したところでやたらえっちさを強調したひろたかくんが出てきたので、ちょうど後ろの席で観劇していた演出家の方を振り返りそうになった。なんだあのえっちな姿は。おかげでしばらくひろたかくんしか見れなかった。
「えっ、こんなの戸塚担にひろたかくんが見つかっちゃうでしょ!!!!」と思ったのに、検索かけても特段話題になっていないので首をかしげている。なんで???

あかりは相変わらずかーーわいかった。最高に可愛いツインテール
時々舞台上の柿濃度が高まりすぎている時があり、もはや柿の公演なのではwwwwみたいになってたの面白かったな。柿喰う客feat.濱田。


野次馬の感想としては以上です。今めっちゃ銀幕の果てにが見たい(副作用)

なつのお題箱