風の果て

恋をしただけ それだけのことを

まほろばかなた 10/30ソワレ、11/4ソワレ@銀河劇場

ひっっっさしぶりに大当りを引いた!!!!
めーっちゃくちゃよかった。初見のOPあたりで既におかわりが確定したそ、2回観て2回しっかり泣いた。なんだかんだで私はまほろばの話をしている時の西田が一番好きなのかもしれん(笑)

一番ざっくりな感想は「めっちゃ歌うもののふ」なので、もののふシリーズを好きだった人はもちろん好きだと思うし、久々に「もののふと同じくらいカジュアルに人に勧められる西田作品」だったのも凄くよかった。殺陣あり歌あり舞ありの3時間。
ついでに言うと、上演予定時間が休憩込み3時間5分で、カテコ終わってアナウンスが流れた瞬間時計見たら3時間6分だったので、制作サイドの躾が行き届いているのも良かったです(笑)

それなのにあらかじめ「映像化の予定なし」と明言されており、「おい!どういうことなんですか!せめてDMMでいつでも配信レンタルできるようにせい!!!!」と偶然同日観劇した某会長に突撃しそうになりましたが(ちゃんと「いつも推しをご自宅で遊ばせてくれてありがとうございます!」って念も送っておきました)、とりあえず千穐楽アーカイブが観れるのでリンクを貼っておきます。
www.dmm.com


すーーーごい楽しかったなぁ。飽きるところ全然ないし、全員やたら歌上手いし強いし。
幕末の喧嘩屋たちの物語、観ていると「結局この世は意地とプライドと喧嘩が強い奴が勝つんだわ!それでいいじゃねぇか!!!!」という強い気持ちになれる。健康にいい。


以下、つらつらと感想とか日替わりのメモとか。

  • 「初めて観る知ってる話」

西田作品は2周目になると開始2秒で泣けるのがお約束ですが、世界線もののふシリーズと類似なのでうっかり1周目のOPから泣きそうになったし、山場もちょっと先回りで泣いてた感じある(笑)場所が銀劇だから余計にね。

観ながらずっと、あの裏で起きていた新選組のことだとか、会津の少年たちだとか、その後の国を作っていく薩摩と長州の話だとかを思い出していた。長州の悪童たちが目指す"まほろば"も、勝さんが「うちにもそういう奴がいる」と言った彼が目指している"夜明け"、どちらも100回見ているので薩長同盟結ぶくだりで鳥肌立っちゃったな。
あとさ~勝さんと松陰先生の関係もさ~~~~。完全につむ鴨におけるせごどんと大久保さんなのよ。親友なんですよ。

あとやっぱり西田照明はEXシアターじゃなくて銀劇で見たいなと思いました(笑)

  • 歌が上手い、そして声がでかい

ド頭からしょごたんのお歌が上手すぎて震えた。基本全員上手いんだけど、更に三段階くらい上手い。あとまほねぇ。ツートップが破格の上手さなので、それによって全てが底上げされていて聴きごたえあった~。
1回目と2回目で座席が1列ずれだったんだけど。1回目が下手側で、2回目がセンターの通路脇で、2回目の聞こえ方がぜんっぜん違って驚いた。耳からの記憶がほぼ機能してない私でもすぐわかるくらし、ちょっと内側に入っただけでこんなに聞こえ方変わるんだなぁ。
純粋な歌唱力だけだと凌くんがどうしても負けちゃうんだけど(でも記憶の中の歌より格段に上手くてびっくりした)、まほろばを目指させたら日本一なのでそこは全然問題ないです。

あと常にクソデカボイス選手権の西田作品、今回はキャラ設定上「声がでかい」奴が複数いるため、さらなるクソデカボイスが上乗せされていて笑った。その中で、怒鳴るわけでもなくすーーーーっと気持ちよく通る、しょごたんとねもっさんの澄んだ声が良い。
糸ちゃんの声がどんどんガッスガスになっていくのが大変愛おしかったです。座組に元気な若者がいるのは良いことだ。
リョウマツダは晋作が船買っちゃったくだりの「冷静にぃぃぃぃぃ!!!!!!1回冷静になれぇぇぇぇぇ!!!!!!」がどんどん過剰になっており、序盤の全然要らん場所で体力と声量と体幹(凄い体制で叫んでいる)を無駄遣いしまくっていて愉快でした。声がでけぇ。

  • 幕末でRockしていた

初報時点で「さよソルと幕ロを混ぜ合わせたような何かだ…」と思ってたので、序盤で三味線抱えた高杉晋作が「ロックだ!」って言ったときはついに幻聴が聴こえたかと思いましたが、マジで何度も「ロック」というワードが出てきたので、まほろばかなたは嘘偽りなく幕末の志士たちがRockする物語です。本当だもん、嘘じゃないもん!Rockしてたもん!!
なんで糸川が晋作じゃないんだ…と思ったけど、「桂さん桂さん」喚きながらキャンキャンしていることには変わりなかったのでだいたい一緒かもしれない(一緒ではない)

  • 廣野めっちゃ働く

メインキャストの中にアンドレいつメンが不在の今作、いつもの無駄なテンドン尺伸ばしパートとか、よーじろーさんがやってるような日替わりパートを廣野が担いまくっており、大変働き者だった。あと、このメンツの中にいても頭一つ飛びぬけて動けるので、これが一色君とのWキャストを勝ち取った強さ(物理)かと…。

4日ソワレの廣野がノリノリ(ねもっさん談)だったのでその辺はツイッターにツリーでメモってあります。


やっぱ廣野にはレギュレーション厳しめの2.5より、こういうところで伸び伸びやっててほしいなと思いました。それでいて歌も芝居もちゃんと上手いから良いよね、廣野は。私はね、春輔すみちゃんカップルが一番好き。ああいう男が好き(ダメなパターン)

  • ラブストーリーとしての「まほろばかなた」

西田作品に出てくる女が全員最高なのはいつものことですが、今回はほんと~~に全ての夫婦全てのカップルのやり取り全部好きだった。

「誠実な人」や「クズな人」を描くのは難しくないと思ってるけど、「クズの誠実さ」の魅力が光りまくってて、やっぱ西田というホンモノの「誠実なクズ」が描いたキャラクターはリアルな輝きを放つな~~と変な感心の仕方をしてしまった。
私は西田のこと普通にクズだと思ってるけど(笑)、ちゃんと人を愛するし大事にするしちゃんと人を喪ってる人で、だから結局板の上の人たちも客席の我々も離れられないわけで。春輔とすみちゃんのあの感じとかほんっと「生きてる」愛されクズとクズを愛した女の話だったし、廣野は誠実なクズを演じるのがめちゃくちゃ上手かった(笑)クズだけど嘘はひとつもついてない春輔と、徹底してヨリは戻さないけど最大の理解者ではあり続けるすみちゃん、とても好きだった。
「一番よく理解している人と一緒にいるのが一番いいとは限らない」は本当にそう。

晋作とお雅とおうののあの感じも然りで、「妻」はずっとお雅で、おうのはどう頑張っても「妻」にはなれなくて、でも看取りはおうのの役割で。一緒に刀を持って戦ってくれる本妻も、最期の瞬間まで「いつも通り」で舞続けてくれる愛人も、どっちも好きだったな。そういう妙に生々しい男女関係をあのクラスの若手俳優で爽快に描く舞台作品ってあんまりないから面白かった。わかはいがちゃんと大人の恋愛をしているお芝居が観れるの、よかった。

夫婦じゃないけど、桂と幾松もよかったな~~。
桂が自害しようとした時、止めに入った幾松姐さんが刀奪って突き付けて「だったらあたしが殺してやるよ!遊女に殺されたスケベなクズとして死ね!!」って啖呵切るの痺れましたね。遊女に組み敷かれて上から刀突き付けられるリョウマツダが見れる、こういうのも醍醐味ってもんですよ。幾松姐さん、芝居はあんまりうまくないけど声が好きだったし、「声が大きくて堂々としているのは大事だな…」とn万回目の理解をした。
あと凌くんの背筋、異常なほど綺麗だったな。二次元かと思った。

しかしまぁ、全てが「女がめちゃくちゃ強い」から成立してる世界なんだよな~というのも西田作品らしくて好きだった(笑)
喧嘩して酒飲んで夢を目指すしょーもない男たちと、そいつらを蹴り飛ばしながら一緒に戦ってくれる女たちの物語、それはただのアンドレなのよ(笑)

というわけで、私の大好きなゥチら最強なズッ友嫁ズを貼っておきます。



  • 他雑感

・わごちゃんは他のわかはいと比べると目立つ見せ場少ないのに、動き回らなくてもきっちり笑いが取れてさすがのわごちゃん。
・あのインテリ贋鉄斎みたいな役似合ってたな…w
・アフトク回では自撮り棒持参で動画撮りながら入場してくれるわごちゃん、仕事が出来る。そのあとずっとまりっぺにしばかれていたが。
スペシャルカテコ回では、写真撮影始まるよーのタイミングで袂からヘアアイロンを取り出し髪をいじり出すわごちゃん。抜かりない。
・松陰先生処刑のくだり、ホンモノを観れる大事な時間のはずなのに周りのわかはい拍子木隊が全体に不安定で、拍子木しか入ってこない
・4日ソワレは糸ちゃんが出てくるタイミングで移動しなきゃいけないしょごたんが刀?か何かを落としてガタガタッとなっており、さらなる混乱を招いていたw
・糸ちゃんもおもろいけど、実は凌くんも結構観ていて不安になります、拍子木(拍子木下手くそ芸人の集まりなの?w)
・ねもっさんはおおむね恋

なつのお題箱